DRRV11037
2025-06-13 12:11:00
28595文字
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DRRV: Prolonged 前編



裁門さんと別れて壁の近くまで歩いていく途中、円形の建物を発見した。

学園内にあるの、校舎だけじゃねーんだな」

寄宿舎


中に入ってみると、吹き抜けの一階と二階に分かれて、円形のホールを取り囲むように、たくさんの扉が並んでいる。ざっと数えて16人分……

『『『『くまえりーー!!!!!』』』』

今までとは違う挨拶が聞こえた。さきほど急にいなくなったモノクマーズはここにいたんだ。

『くまえりー』

『お邪魔しとるでー』

「もう、さっきはいきなり逃げちゃって。お邪魔してるってどういう意味?」

『ここはキサマラのお家やないかーい!』

「そ、それは違うよ……!?」

あまりの理不尽に目を剥いた。酷い押しつけで、絶対に認められない。私の家は壁の向こう側にあるんだから。

『シャワーもトイレも完備やで』

『素敵!でも温泉に浸かれないのは残念だわ

『た、確かに!どうする?造ってあげた方がいいかな』

『ヘルイェー!お父ちゃんに要相談だぜ』

『『『『バーイクマ!!!!!』』』』

モノクマーズたちは嵐のように去っていった。



ここは絶対にお家じゃないよ。でも本当に生活には困らないね」

私は肩に垂れた三つ編みを撫でて、不満を胸に押し込めながら言った。榊くんが冷静に返す。

「ああ。要は寄宿舎ってことだろ?脱出まで、好きなだけ利用させてもらおうぜ」

そのとき、十数個の扉のうちの一つから、セーラー服の女の子がぴょこんと顔を出した。きらりと目が合う。

あ!人間発見。」

彼女はスカートをばたばた揺らしながら凄い勢いで駆け寄ってきたので、私は面食らってちょっと首を逸らした。案の定、スカートの裾が捲れている。

「こんにちはーっ!どーもハジメマシテの人ですね。ワタシ、改瀬かいぜ未遥みはる。“超高校級の通訳士”なんですよ!」

彼女は屈託のない笑顔を見せる。歯が、ちらと光る。両サイドの大きな金の三つ編みも眩しくて堪らない。

「通訳って外国語が喋れるの?」

「はい!英語、中国語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、アラビア語はいけます。母国の日本語も合わせれば、セプティリンガルですね!」

私は安堵した。もしも清忌さんと私や他の子たちが言語の壁に困ったときは、改瀬さんの力を借りられるかもしれない。

「7ヶ国語!すげぇな。なんでそんなに色んな言葉を勉強したんだ?」

「それはぁ……秘密ってことで♡ でも、語学は楽しいですよ。それぞれの言葉にしかない表現や世界観に踏み込めますから」

そこで改瀬さんは、思い出したかのように話題を替えた。

「おっと、そんなことより目の前の問題ですよね。今が金曜放課後だったら助かるんですけど、何であれ早く帰れなきゃ欠席扱い。こんな屈辱はありません。で、この状況、自分は目的が読めないなーってずっと思ってるんですよ」

「目的?」

「ここの建物、超ビッグじゃないですか。建てるだけで莫大な資金が必要だから、身代金目的とは思えないんですよねー。」

「言われてみればその通りだね……。わざわざ校舎や壁を造る理由がない、よね」

「かといってワタシたち超高校級を憎んでるとも思えません。今のところ丁重に扱ってもらえてる」

そういえばそうだ。一体何が目的なんだろう?」

当たらない推理をやってみる私に、榊くんが堂々と宣う。

「?何が目的でも、ぶっ潰せばいいだろ!」

「ち、血の気が盛んだ

私がげんなりするのをよそに、ふは、と笑った改瀬さんはその姿勢を気に入ったらしい。

「いいですね。ぜひぶっ潰しましょう!」