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はりぼて自家発電所
2024-12-27 03:47:10
108331文字
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因縁
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天邪鬼のかくしごと 前編
魔法舎に北の魔法使い、オーエンの迎えが来た。記憶喪失、ショタ化など。
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いいこでいたら、たすけにきてくれる?
わるいこになれば、すきになってくれる?
ねえ、みんな。
どうして、ぼくをおいて、いなくなるの?
夢を見る。ひとりぼっちで、死ぬ夢。
最初は、しんだことにも気づいてなかった。
しんだあとは、それまでの苦しみがなくなって、元気になれるから、しぬことは怖くなかった。
きっと、しにたくないって願いが通じたんだと思った。
お願いしたら叶ったから、神様はいるんだと思った。
だから、絵本の中にいる騎士様も、きっといるんだって。
そんな、夢を見ていた。
いつからか見なくなった夢だった。
オーエンは退屈だった。
連れてこられた場所で、その辺の人間や魔法使いをからかって遊んでいたら、誰も傍に寄り付かなくなってしまったけれど、概ね丁重に扱われ、何不自由なく過ごせている。
けれどこの平穏も、心臓を質に取られた上で成り立っているものだ。面白いものではない。
「賢者の魔法使いが、こちらに向かっているらしい」
ソファで寛ぐオーエンに、世話係の魔法使いがそう声をかけた。ここの魔法使いはみな頭からすっぽり体を覆うようなローブを着ていて、見分けがつかない。けれどどうでも良かった。誰が誰でも一緒なのだから。
「ふうん」
「興味がなさそうだな。一応、賢者の魔法使いの仲間だろう」
「仲間ってなに? 無理やり同じ使命を背負わされて、しかたなく一緒にいただけだよ。それに、僕は死なないだけで、その仲間とやらになんども殺されてる」
むしろ死なないから容赦がない。生き返ることが出来ると言ったって、オズやフィガロ、双子にミスラにブラッドリー。彼等がいる場所で、平穏に居られるはずもない。その他の魔法使いも煩わしい。西の国の年長者達や、東の奴らも厄介だ。カインなんて、目玉を奪われた癖に気安く話しかけてくる。そもそもオーエンは一人が好きなのだ。あんな騒がしい場所では心も休まらない。今いるこの場所の方が、静かな分まだましだ。
自称仲間たちがこちらに向かってくる理由もたかが知れている。賢者の魔法使いとしての役目だの、任務だのでオーエンを連れ戻すため。それも拒否すればオズが黙っていないだろうし、いよいよオーエンが手に余れば、石にして新しい魔法使いを召喚しようとするだろう。
もう全てから解放されたかった。オーエンはため息を吐いて、途方もなく苛立つ。
この村の奴らが何を企んでいるのかも興味はない。心臓を取り返せればそれでいい。だからまんまと話に乗った。彼等が自分のことを少なからず知っているという事実がそうさせたのだ。
オーエンは、自分のことが分からない。
だから別に、魔法舎に帰りたいとは思わない。
ただ、ほんの少しだけ考える。誰かと心を通わせられていたなら、この言いようのないもやもやは、晴れていただろうか。
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