ちよど
2024-11-16 13:46:37
37826文字
Public わし様など
 

練習1P 300個記念企画短編化まとめ

#練習1P、のタグで書いていたもの。
このたび、読んでくださったみなさまのおかげで300個書けたので記念企画としていくつか短編化しました。
リクエストしてくださった方々ありがとうございました。

ご注意。わし様中心SS。節操なくCP混在しています。



 No.7 アシュヨダ 「おまえの話をしていたからだ」

■原文■

 熱い息を零してベッドに背中を預けたドゥリーヨダナは、彼の身体から顔を上げたアシュヴァッターマンの濡れた前髪を指先で弾いた。
どこでこんな事を覚えてきたんだ? わし様は教えた覚えがないぞ」
 拗ねたような恋人の口調に、アシュヴァッターマンも彼以外に見せない不貞腐れた子供のような顔で口を尖らせる。
「俺はあんたより早くカルデアに来ただろ。ここはバラモンだとか宝珠だとか関係ねぇ」
「つまり?」
「生前しょっちゅうあんた達が集まってごそごそやってたやつに俺も混ぜて貰えたってわけだ」
 ──いわゆる猥談である。
「わし様達はおまえをのけものにしていたわけではないぞー」
「知らねぇ」
 ご機嫌を取るような恋人の言葉にアシュヴァッターマンはそっぽを向いた。
「どーせ、親父がこぇえとかそんな理由だろ」
「ちがうが」
「じゃあ、なんでだよ!」
 アシュヴァッターマンの言葉にドゥリーヨダナは目を逸らした。


■短編■

 旦那も含め百王子たちは身内意識が強い。
 俺が父と一緒ではないと宮殿に入れなかった頃は、彼らは俺を遠巻きにして何かをこそこそと話し合っているのが常だった。
 それは旦那と親しくなるにつれ見ることが少なくなったが、それでもたまに見かけるその輪には俺は最後まで混ぜてもらえないままだったのだ。

 他人に対して明確な区切りがある旦那の肌は意外と柔らかい。その体が引き締まり棍棒を振るう様を知っているので、薄く汗を帯びながらも弛緩したままの筋肉に許されているような気がしてしまう。
 そんな愛しい人の体から顔を起こすと、旦那は熱い息を零してベッドへと背中を預けた。硬い指が俺の前髪を弾く。
どこでこんな事を覚えてきたんだ? わし様は教えた覚えがないぞ」
 拗ねたような顔に怒ってはないのだと分かって俺も子供のように口を尖らせた。
 俺は旦那以外とセックスしたことはねぇし、する気もない。だからと言って教えられるままの生徒でいたいはずもなかった。
「俺はあんたより早くカルデアに来ただろ。ここはバラモンだとか宝珠だとか関係ねぇ」
「つまり?」
 まったく心当たりがなさそうな旦那に俺はにやりと笑った。
「生前しょっちゅうあんた達が集まってごそごそやってたやつに俺も混ぜて貰えたってわけだ」
 ──いわゆる猥談である。
 カルデアで気のおけない男連中に誘われて初めて参加したそれは驚きの連続だった。
 父と俺は同じバラモンよりもクシャトリヤの知り合いの方が多い。俺に至っては同年代の友はほとんどクシャトリヤだ。俺にとって彼らは対等な友だったが、彼らにとって禁欲を旨とするバラモンをそういう場に誘えなかったのだろう。
 男所帯の百王子が俺を混ぜずにこそこそ話し合っていた理由を俺はやっと分かったのだ。
 いくつかの驚愕に耐えられれば、そこはそこそこ有益な場だった。男の恋人がいた者も多く、彼らが面白がって聞かせてくる赤裸々な話に歯を食いしばって耳を傾けると旦那では決して教えてくれないだろう手練手管を知ることが出来た。
 先ほど披露したのはそのひとつだ。
 あまりやると浮気を疑われるとの話だったが、旦那はそんな事は気にした様子もなく苦笑した。
「わし様達はおまえをのけものにしていたわけではないぞー」
「知らねぇ」
 ご機嫌を取るように耳元の髪を弄られて俺はそっぽを向いた。
「どーせ、親父がこぇえとかそんな理由だろ」
「ちがうが」
「じゃあ、なんでだよ!」
 生前、旦那がよく使っていた言い訳を口にすると俺をのけものにしていた百王子の長兄は即座に断言する。他の連中はともかく旦那はバラモンだとかは気にしない。ならば何故、俺を混ぜてくれなかったのかと問うと旦那は目を逸らした。
「旦那?」
 わざと甘えるように顔を寄せると、旦那の口元がムニュムニュと動く。
 それに構わずじっと見つめていると、旦那は諦めたように口を開いた。

「格好良いな、と話していたのだ。──当のおまえと一緒に話せるはずがないだろう」

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読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

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