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ちよど
2024-11-16 13:46:37
37826文字
Public
わし様など
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練習1P 300個記念企画短編化まとめ
#練習1P、のタグで書いていたもの。
このたび、読んでくださったみなさまのおかげで300個書けたので記念企画としていくつか短編化しました。
リクエストしてくださった方々ありがとうございました。
ご注意。わし様中心SS。節操なくCP混在しています。
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No.20 わし様とモブ 「語られる事は戦士の誉れ」
■原文■
ドゥリーヨダナには定番の武勇伝がある。と、いってもそれは彼自身のものではない。
「その時、わし様の一番新しい臣下は迫りくるオプリチニキに勇敢に立ち向かい。ちぎっては投げ、ちぎっては投げの大活躍を
…
!」
「あの人は戦闘要員じゃなかったんだけどなぁ」
呆れたように呟くマスターはそれでもドゥリーヨダナの大言壮語を止めようとしない。
まだ彼らが南極にいた頃、スタッフのひとりがドゥリーヨダナに告白したのだ。
「好きです」と。
それにドゥリーヨダナは笑って答えた。
「うむ。わし様もわし様の事が好きだ。──おまえは見る目がある! わし様の臣下に加えてやろう!」
もとよりサーヴァント相手に恋愛が成就するとは思って無かったのだろう。そのスタッフは喜々としてドゥリーヨダナの臣下を名乗るようになった。
そして、彼らは南極を追われ。ノウム・カルデアで再現界したドゥリーヨダナは残されたメンバーを見て、──何も言わなかった。
彼が彼の臣下の武勇伝を語るようになったのはそれからだ。勇ましく戦って死んだ彼の一番新しい臣下。
本当はそんなことはなかっただろうに、その武勇伝はずっと語られている。
■短編■
ノウム・カルデアに酔っ払いの大声が響いた。
マスターの眺める先、サーヴァント達の輪の中心で機嫌よく酒杯を掲げているのは古参のドゥリーヨダナだ。
こういう時、彼はいつも同じ武勇伝を話す。と、いってもそれは彼自身のものではない。
「優れた臣下を持つということは、王も優れているということだ」
定番の導入に、何人かのサーヴァントが酔いながらも頷く。それに気をよくしてドゥリーヨダナは続ける。
「その点、わし様の最も新しい臣下はわし様の相応しい者だった。カルデアのスタッフであるからには優秀な魔術師であるのはもちろんだが、わし様を主と認め忠誠を誓った、その心こそが万の財宝よりも価値がある!!」
その言葉が聞こえたカルデアスタッフの何名かは苦笑を零した。
まだ彼らが南極のカルデアにいた頃。今ドゥリーヨダナの臣下として語られているあの人が、最初はドゥリーヨダナに忠誠を誓ったのではなく告白をしたのだと知っていたからだ。
『好きです、』
と顔を真っ赤にして伝えたあの人に、この王子様は鷹揚に微笑んでこう応えたらしい。
『うむ。わし様もわし様の事が好きだ。──おまえは見る目がある! わし様の臣下に加えてやろう!』
もとよりサーヴァント相手に恋愛が成就するとは思ってなかったあの人は、この話を喜々として触れ回り。自分はドゥリーヨダナの臣下だと胸を張るようになった。
あの頃はマハーバーラタ関係のサーヴァントはドゥリーヨダナひとりしかおらず、あの人はドゥリーヨダナのわがままいっぱいの要求を叶えるために走り回っては顔を輝かせていた。
スタッフ達がそんな追憶に浸っている間にドゥリーヨダナの武勇伝は進む。最大にして最後の見せ場。南極のカルデア襲撃事件だ。
サーヴァント達が退去した後だったため、ろくな戦力もなく蹂躙されていくカルデア。
「その時、わし様の一番新しい臣下は迫りくるオプリチニキに勇敢に立ち向かい。ちぎっては投げ、ちぎっては投げの大活躍を
…
!」
「あの人は戦闘要員じゃなかったんだけどなぁ」
呆れたようにマスターは呟いたが、ドゥリーヨダナの大言壮語を止めようとはしない。
南極が襲撃された時。当然ドゥリーヨダナも退去していた。
退去の際に彼とあの人が何を話したのか。マスターは知らない。
マスターが知っているのは、ノウム・カルデアで再召喚されたドゥリーヨダナが残ったスタッフを眺めた時の瞳の深さだけだった。
ドゥリーヨダナがありえない『武勇伝』を語るようになったのはそれからだ。
勇ましく戦って死んだ彼の一番新しい臣下。
あの人は魔術師ではあったが戦闘向けではなかった。それでなくてもサーヴァントの眷属にただの人間が立ち向かえるはずはない。だから、多分、あの人は。
マスターは首を振った。
ふと気づく。英霊は偉業を成して語られたからこそ『座』に登録されている。それでなくても、伝説にある戦士や魔術師は皆語られることでその名を永遠にしてきた。
語るということは最大の賛美なのだ。
それをよく知っているだろうドゥリーヨダナは今もあの人の『武勇伝』を語り続けている。
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読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
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