ちよど
2024-11-16 13:46:37
37826文字
Public わし様など
 

練習1P 300個記念企画短編化まとめ

#練習1P、のタグで書いていたもの。
このたび、読んでくださったみなさまのおかげで300個書けたので記念企画としていくつか短編化しました。
リクエストしてくださった方々ありがとうございました。

ご注意。わし様中心SS。節操なくCP混在しています。


 No.1 シャクヨダ、ビマヨダ 「馬鹿野郎っ!!」 ※女体化注意


■原文■

 「初体験なんていうモノはな。マスター。高く買ってくれるものに高く売るものだぞ」
 その言葉にマスターとドゥリーヨダナの女子トークに耳を澄ませていたサーヴァント達は絶句した。静まり返った食堂にカトラリーやら調理器具が落ちる音が響く。それに構わず王女は傲慢に続けた。
「わし様は目端の利く大人が欲しかった。あやつはわし様の姿形を愛でたかった。うぃんうぃんというヤツだな」
 妖艶に笑う女性を見上げて、まだ少女のマスターはミルクティーをひとくち飲んだ。
「それでドゥリーヨダナは幸せだったの?」
 その問いにドゥリーヨダナは花のような瞳を微笑ませた。
「あやつはな。最期に命を賭けてわし様を戦場から逃がしたぞ」
 厨房から大きな音が響いた。ビーマだろうと誰もが思ったが、そちらを向く勇気のある者は誰もいなかった。当の本人以外は。
「うるさい!馬鹿ビーマ!!わし様が話しておるというのに!大人しく聞くことも出来んのかっ!」
「馬鹿なのはてめぇだ!!そんな、そんな事で。あいつはおまえの叔父じゃねぇか!!」
 ざわついた人々の中心で紫の髪が逆立った。
「だったら何だ!わし様達に頼れる大人が他にいたとでも言うのかっ!!」


■短編■

 「凶兆の王女など使えんだろう」
 不敬に声を上げるより早く茂みに引っ張り込まれ悲鳴も塞がれた。弟達と離れるべきではなかったと歯噛みするわし様の手足が男たちに押さえつけられる。
 いくら男に混じって武芸を習っていたとしても、この人数差とこの体勢では抵抗は難しい。
 それが分かった男たちが笑う。
「俺達がおまえの腹を使ってやるよ」
「ほう。我が姪の子をお望みか。──お断りする」
 血しぶきが迸り男たちがあっという間に倒れ。茂みの外からシャクニ叔父がわし様を覗き込んだ。差し伸べられた手は温かく。わし様は立ち上がった。
シャクニ、この事は弟達には言わないで」
 母上の口調を真似て言うと叔父上は断れない。分かっていて口にするわし様に叔父上は少しため息をついて身を屈めた。わし様は背伸びをして唇をあわせる。叔父上の好きなシーシャの味がした。

「やっぱりいい女の条件って、その、男性経験なのかな?」
 マスターの言葉にわし様は瞬きした。カルデアの食堂は清潔で安全だ。数多のサーヴァント達に守られている少女は恥ずかしそうに小声で囁く。
「メイヴちゃんやわし様みたいになりたいけど、その、初めてってどう選べばいいのかなって」
 食堂に居合わせた他のサーヴァント達が息を飲んだ事に気づかない鈍感なマスター。あふれるばかりの好意を与えられている少女にわし様は笑顔を向けた。
「初体験なんていうモノはな。マスター。高く買ってくれる者に高く売るものだぞ」
 一度しか使えないカードは有効に使うものだ。そう言うと何かを取り落とすような物音と共に非難の眼差しが向けられる。それを黙殺してわし様は高慢に微笑んだ。
「わし様は目端の利く大人が欲しかった。あやつはわし様の姿形を愛でたかった。うぃんうぃんというヤツだな」
 シャクニ叔父は母上の事を多分姉弟を超えて愛していた。そして姉弟の中でわし様が一番母上に似ていたから助けてくれた。母上の代わりでも何でも目が見えて肉塊生まれのわし様達の味方をしてくれる者はあの王宮では叔父上だけだったのだ。
 この前鈴鹿御前に習った当世風の言い回しにマスターは少し笑って、ミルクティーを口に含んだ。わし様も果実酒を舐める。
 少女の瞳がわし様を見た。
「それでドゥリーヨダナは幸せだったの?」
「あやつはな。最期に命を賭けてわし様を戦場から逃がしたぞ」
 女ひとりの体の価値などそう大したものではあるまいに。姉上だってハスティナープラで待っていたのに。シャクニ叔父は自分の命よりわし様を逃がすことを選んだのだ。
 それを幸せと言わずして何と言うのだろうか。
 厨房から大きな音が響いた。
「うるさい!馬鹿ビーマ!! わし様が話しておるというのに! 大人しく聞くことも出来んのかっ!」
 いつもいつもわし様の邪魔をする筋肉馬鹿を怒鳴りつけると、悲鳴のような大声が返ってくる。
「馬鹿なのはてめぇだ!! そんな、そんな事で。あいつはおまえの叔父じゃねぇか!!」
 賢しらな言葉に髪が逆立つ。
「だったら何だ!わし様達に頼れる大人が他にいたとでも言うのかっ!!」
 何も気づかなかったくせに!

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読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

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