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ちよど
2024-11-16 13:46:37
37826文字
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わし様など
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練習1P 300個記念企画短編化まとめ
#練習1P、のタグで書いていたもの。
このたび、読んでくださったみなさまのおかげで300個書けたので記念企画としていくつか短編化しました。
リクエストしてくださった方々ありがとうございました。
ご注意。わし様中心SS。節操なくCP混在しています。
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No.2 生前IFカルヨダ 「おまえはすぐに去ってしまう」
■原文■
玉座の前に引きずり出された虜囚に、パーンダヴァの新たな長兄は立ち上がった。
カウラヴァの総司令官であった彼が自分の出自を知り裏切ったために、泥沼の様相と化していたクルクシェートラの戦いはパーンダヴァの勝利に終わった。
捕らえられた敵軍の将は薄汚れた衣装のまま膝をつかされている。
そこにクル族の王となった青年が歩み寄った。
「我が友よ」
カルナの呼びかけに応えはない。構わずカルナは戴いている王冠に自ら手をかけた。
王冠が迷いなく移動する。カルナからドゥリーヨダナに。
「友よ。王位には王位で返そう。──おまえがクル族の王だ」
思わず顔をあげたドゥリーヨダナを守るようにカルナは抗議の叫びを一蹴する。
「オレは確認したぞ。オレが王位についたら好きなようにしてもいいのか? と。神に誓ったはずだ」
その場にいたはずのふたりに視線が集まる。否定が返らないのを確認してカルナはドゥリーヨダナを立ち上がらせた。
「カルナ。──わし様が喜ぶと思ったのか?」
「いいや。こんな形はおまえが望むモノではないだろう。──だが、おまえは人間なのだ」
■短編■
玉座の前に引きずり出された虜囚に、パーンダヴァの新たな長兄は立ち上がった。
御者の子と散々蔑まれていた彼は美しい布と宝石で着飾り、頭上にはその黄金の鎧よりも輝く王冠を被っている。
カウラヴァとパーンダヴァの国を二分した戦争はパーンダヴァの勝利で集結した。カウラヴァの総司令だった彼が、目の前で衛士に床に抑え込まれているカウラヴァの王子を裏切ったために。
謁見の間に居合わせた人々が囁きを落とす。
今では誰もが知っている。
クル国の新王カルナは母クンティがパーンダヴァの王に嫁ぐ前に産んだ子供だと。他の弟達と同じく神を父に持つのだと。
川に流された赤子が出自を知らないままカウラヴァの王子と無二の友となった事を。
そしてその出自を知った途端にカウラヴァを裏切り、恥知らずにも王になったと。
彼の新しい家族である母と弟達。そして彼の寝返りを母と一緒に説得したクリシュナ達が見守る中。せせらぎのように響く囁きを踏み越えて、新たなクル族の王は玉座から薄汚れた衣装のまま膝をつかされている敗軍の将に歩み寄った。
「友よ」
呼びかけに応えはない。
彼らが同じ陣営だった頃、カルナが彼を呼んで応えてもらえなかった事など無かったというのに。
構わずカルナは頂いている王冠に自ら手をかけた。
王冠が迷いなく移動する。カルナからドゥリーヨダナに。
「友よ。王位には王位で返そう。──おまえがクル族の王だ」
思わず顔をあげたドゥリーヨダナの、汚れた頬をカルナは拭う。
そして湧き上がった非難の声に向き直った。
「オレは確認した。カウラヴァを裏切り、オレが王位を継いだならば好きにしていいか?と」
王冠を被せられたドゥリーヨダナを背にカルナは新しい『家族』達を見据える。
「──お前たちは神に誓ったはずだ」
眼差しが一斉に向けられる。カルナの裏切りの交渉の場にいたはずのふたりに。ひとりは目を伏せ、ひとりは唇を歪めた。
否定が返らないのを確認してカルナはドゥリーヨダナを立ち上がらせた。
薄汚れた姿に似合わない王冠の下から紫の瞳がカルナを映す。
「カルナ。──わし様が喜ぶと思ったのか?」
王冠を得た喜びよりも、カルナが被った汚名をあげる友にカルナは目を細めた。
「いいや。こんな形はおまえが望むモノではないだろう。──だが、おまえは人間なのだ」
カルナが裏切りを決めたあの夜。神と子を成した母と神の化身はこう言ったのだ。
──半神と人の寿命は異なる。おまえはすぐひとりになるでしょう。
「なら、わし様はおまえに再び国をやろう」
唐突なドゥリーヨダナの言葉にカルナは瞬きした。そんなカルナをおかしそうに笑って、以前彼をアンガ王に就けた王子は言葉を続ける。
「この王冠はわし様のものだ。だが、次の王はおまえだ。カルナ。──この国をわし様だと思って大切にするように」
「
…
狡猾な男だ」
カルナが行った二重の裏切りもその条件ならば文句は出ない。長寿のパーンダヴァはただ待っていればいいのだから。
そしてカルナは、友のよすがをずっとその手に収め続けられる。
「──友よ」
どちらからともなく交わされた抱擁にカルナは顔を埋めた。
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読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
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