ちよど
2024-11-16 13:46:37
37826文字
Public わし様など
 

練習1P 300個記念企画短編化まとめ

#練習1P、のタグで書いていたもの。
このたび、読んでくださったみなさまのおかげで300個書けたので記念企画としていくつか短編化しました。
リクエストしてくださった方々ありがとうございました。

ご注意。わし様中心SS。節操なくCP混在しています。


 No.19 カルヨダ 「そういうことは早く言わんか!」

■原文■

 ドアが開く音がしてドゥリーヨダナは意識を覚醒させた。
 生前、凶兆の子として忌み嫌われたドゥリーヨダナは寝所にいたとしても油断することはない。だが、すぐに彼はゆるゆると眠りの淵へと戻っていく。
 何故なら侵入者の気配は彼が最も信頼する男のものだったからだ。
 比類なき友カルナは迷わずドゥリーヨダナが横になっているベッドに近づくと、ためらいなくその掛布をまくり、シーツの間へと滑り込んだ。
 当然のようにドゥリーヨダナの隣に潜り込んだカルナの行動に彼は思い至った。
(カルナめ、寝ぼけておるな)
 サーヴァントに支給される部屋の間取りはどれも同じだ。しかもカルナとドゥリーヨダナの部屋はすぐ近く。何かの理由があって夜に出かけたカルナは部屋を間違えたのだろう。
 そうと分かれば、体に巻き付いてくる腕にも納得出来る。
 ドゥリーヨダナは体の力を抜いて、この世で最も価値のある湯たんぽに徹してやった。
 ぎゅうぎゅうと抱きしめられたり、さわさわと体をまさぐられたりしたが。寝ぼけた友の意外な一面が愉快でドゥリーヨダナは寝た振りをし続けた。
 それがしばらく続き。カルナは急に彼を抱き寄せた。
「困難極まるな。──夜這いというものは」


■短編■

 ドアが開く音がしてドゥリーヨダナは意識を覚醒させた。
 生前、凶兆の子として忌み嫌われたドゥリーヨダナは寝所にいたとしても油断することはない。いつでも対応出来るようにしっかりと夜着を着込んでいるし、退路も確保済みだ。
 だが、すぐにドゥリーヨダナはゆるゆると眠りの淵へと戻っていく。
 何故なら侵入者の気配は彼が最も信頼する男のものだったからだ。
 比類なき友、カルナは気配を殺す様子もなくすたすたとドゥリーヨダナが寝ているベッドに近づいてくる。
 起きるタイミングを逃して結果的に寝た振りをしているドゥリーヨダナに気づかず、彼は無造作に掛布をまくった。そのままシーツの間に滑り込んでくる。
 当然のようにドゥリーヨダナの隣に潜り込んだカルナの行動に彼は思い至った。
(カルナめ、寝ぼけておるな)
 サーヴァントに支給される部屋の間取りはどれも同じだ。しかもカルナとドゥリーヨダナの部屋はすぐ近く。何かの理由があって夜に出かけたカルナは部屋を間違えたのだろう。
 思えば最近カルナは周回に高難易度にと連れ回されていた。
 友が重用されてドゥリーヨダナは鼻高々だったが、当の本人は疲れていたのか。最近、顔を合わせる事すら少なかったので気づいてやれなかった。
(明日にでもマスターにカルナの休暇を申請しなければ)
 勝手に友の予定を決めたドゥリーヨダナは胸の違和感に眉を寄せた。
 カルナの手がまわされている。
 目を閉じていても分かる男にしては細い指が何かを探すようにドゥリーヨダナの胸を撫でていた。
 それが幼い頃一緒に寝ていた弟が抱きついてきた様子と重なって、ドゥリーヨダナは笑みをこぼす。
 力を抜いて体を預けてやると、安心したかのようにカルナの体がすり寄ってきた。
 その体温はいつもより高く、まるで眠りにつく前の幼子のようだ。
 年上の友の意外なかわいらしさにドゥリーヨダナは胸が暖かくなる。
 何と間違えているのか、体が強く抱きしめられた。
 カルナの髪が項に掛かってくすぐったい。息が肩に触れて思わず身動きしたくなったがドゥリーヨダナはなんとか寝た振りを続ける。
 熱い指がドゥリーヨダナの喉仏に触れる。起伏を確かめるように滑り落ちたそれは鎖骨に迷い、胸の上で手のひらを広げた。わずかに揉まれるような動きをされて、ドゥリーヨダナはついに身じろぎした。
 その拍子にめくれた夜着の裾からカルナの手が入り込んでくる。
 へその上で動きを止めたそれにドゥリーヨダナはたまらず喉で笑った。
「カルナぁ、なにと間違えておるんだ?」
 ドゥリーヨダナの寝た振りに気づいていたのだろう、カルナは力尽きたかのようにドゥリーヨダナの肩口に顔を埋める。
「──かって、オレはこれほどまでの試練に向き合ったことはない」
「んんん??」
 風向きが変わったな、とドゥリーヨダナが振り返ると。
 カルナの顔が接近し、触れて、離れた。
「困難極まるな。──夜這いというものは」

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読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

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