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ちよど
2024-11-16 13:46:37
37826文字
Public
わし様など
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練習1P 300個記念企画短編化まとめ
#練習1P、のタグで書いていたもの。
このたび、読んでくださったみなさまのおかげで300個書けたので記念企画としていくつか短編化しました。
リクエストしてくださった方々ありがとうございました。
ご注意。わし様中心SS。節操なくCP混在しています。
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No.14 マハバ組 「借りは返すぜ。ちゃあんとな」
■原文■
囚われたのは、アシュヴァッターマン、カルナ、アルジュナ、ビーマの順だった。
塗り込められた部屋。魔術の文様が刻まれた床からビーマが足を上げようとするがピクリともしない。
「愚行だ。おそらく神性を対象にしているのだろう」
「なら、大丈夫だな」
カルナとアシュヴァッターマンの言葉と同時に彼らを閉じ込めていた壁が吹き飛ぶ。
「ドゥリーヨダナ」
ぼろぼろのドゥリーヨダナはにやりと笑った。
床の魔術文様を棍棒でなぞる。
「わし様、カルナとアシュヴァッターマンは助けてやるが。他はどうしようかなぁ? んんん〜? 泣いて頼むなら考えてやらんでもないぞ」
「このろくでなし!!」
「あなたは兄さんには借りがあるはずですが?」
虜囚から助け出された事を持ち出されてドゥリーヨダナは大げさに顔をしかめた。
「生前の借りなど! ──分かった。カルナ、そんな顔で見るな」
ドゥリーヨダナが棍棒で文様を叩き潰す。体が軽くなった4人にエネミー達の気配が近づいてきた。
「せいぜいわし様を守れよ」
■短編■
迷宮の奥でアシュヴァッターマン、カルナ、アルジュナ、ビーマは顔を見合わせていた。囚われたのだ。
と言っても人にではない。そもそも暴力にこの4人が屈することはない。探索中に気になる気配がして、この奥の部屋に足を踏み入れた途端、動けなくなったのだ。
床に薄く浮かび上がっている文様はキャスターではない彼らには意味すら読み取れない。力任せにビーマが足を上げようとするがピクリともしなかった。
その様子にカルナがため息をつく。
「愚行だ。おそらく神性を対象にしているのだろう」
それは同じ迷宮内を探索していたはずの、この手の罠に真っ先にかかりそうなドゥリーヨダナがここにいないことの推測でもあった。
この5人の中で神性ではないのはドゥリーヨダナしかいない。
その事にパーンダヴァ兄弟は顔をしかめ、アシュヴァッターマンは表情を明るくした。
「なら、大丈夫だな」
カルナが深く頷く。と、同時に彼らが入ってきた扉が吹っ飛んだ。
「ドゥリーヨダナ!!」
そのドゥリーヨダナは明らかに戦い抜いてきたと分かるボロボロの姿でにやりと笑った。ずる賢く状況把握は早い男だ。すぐに床の文様とその効果に気づいて持っていた棍棒で床の文様をなぞる。
神性属性の彼らには効く魔術だが、魔性属性のドゥリーヨダナにはただの落書きだ。
「んーんんん? わし様、カルナとアシュヴァッターマンは助けてやるが。他はどうしようかなぁ?」
予想していた通りの展開にパーンダヴァ兄弟が顔を再び顔をしかめた。
その彼らににやにやと笑いながらドゥリーヨダナは続ける。
「泣いて頼むなら考えてやらんでもないぞ」
「このろくでなしが!」
宿敵のビーマが吠えるのにドゥリーヨダナは満面の笑顔で答えた。そして、アシュヴァッターマンとカルナに顔を向ける。
「ゴリラは宿泊を希望するそうだ。わし様たちはカルデアに帰って祝杯でも交わそうではないか。パーンダヴァここに死す、と」
「──あなたは兄さんには借りがあるはずですが」
それは生前、ガンダルヴァに捕らえられたドゥリーヨダナをビーマが助け出した逸話だ。
黒歴史を指摘されてドゥリーヨダナの眉間にしわが寄る。その時の屈辱で彼はハンストを決行し、周囲の説得でやっと思いとどまったのだ。
「ドゥリーヨダナ」
あの時説得のために周辺国を平らげてきた男が彼の名前を呼ぶ。ふたりの視線が交わり、ドゥリーヨダナはつまらなさそうに唇を尖らせた。
「旦那」
カルナを後押しするアシュヴァッターマンの呼びかけに、ドゥリーヨダナはため息をついて棍棒を持ち直す。
「──まあ、まとめて壊したほうが楽だから、なっ!!」
鈍く振り下ろされた棍棒が床の文様を叩き潰す。4人の足が軽くなり、2人がドゥリーヨダナに駆け寄った。棍棒を振り回すのもやっとな程に疲弊しているドゥリーヨダナの様子に、どれほどドゥリーヨダナが彼らを探し回っていたのか分かったのだ。
礼を言うべきか迷うパーンダヴァ兄弟に、ドゥリーヨダナは気だるげに手を振った。
「おまえが助けたのはわし様ひとり。わし様が助けたのはお前たちふたり。──余剰分の借りは返してくれるのだろう?」
彼らの視線が部屋の外に向けられる。エネミーの気配が近づきつつあった。
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読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
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