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ちこと
2024-10-29 20:36:55
56961文字
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poke小説・SS
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【2012年発行個人誌】drip,drop,daydream
2012年に発行した個人誌の再掲です。サトシとラティアスで人魚姫パロのようなお話。
完成版のデータが見当たらなかったのですが、ほぼ同じ内容のはずです。
もう何年も前の作品で、つたないところも多くはずかしいのですが、せっかくなので……。
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ぐるぐると、水の流れに翻弄される。ああ、またか
……
とサトシは思った。これじゃあ、マメパトを助けたときと、大して変わらないじゃないか。
それでもその右手には、青く光る球がしっかりと握られていた。今度こそつかんだ。今度こそ、取り戻したのだ。もう絶対にうしなわない。〈こころのしずく〉だけは、絶対に離さない。
それでも、サトシの呼吸はもう限界だった。海面を目指そうとしても、やはり激しい流れに阻まれる。あとすこしだというのに。こころのしずくを、ラティアスに届けてあげなくちゃいけないのに。
(負ける、もんか
……
!)
最後のちからを振り絞って、ほんのすこしでも上へと、サトシは手を伸ばす。
(あきらめない。おれは、ぜったいにあきらめない
……
)
こころの中で、自分に言い聞かせる。その声が、徐々にちいさくなっていく。
(
……
あきらめない、ぞ
……
。おれは、
……
おれ、は
……
)
視界の向こうがぼやけていく。それでもその中に、ちいさな光が見えた気がした。
あのときと似ている。だけどいまは、こころのしずくはサトシの手の中にある。それじゃあ、あの光は。
瞳を閉じる寸前に、白と赤のあの子が見えた気がした。
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