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enoki181
2024-06-21 13:05:09
101489文字
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リプレイ
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【CoC】ラプラスの遺言(柑爾×巴)
PL:黝さん、エノキ(KP兼任)
シナリオ
https://shirohappa.booth.pm/items/4503304
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【導入 -出会いと別れの季節-】
KP:この街に桜の散る季節がやってきた。
ふと見上げれば、木々の梢が新芽の色を付け始めているのが見える。
卒業だとか、新生活だとか。そんな節目と新たな一歩の季節である。実に過ごしやすくなっただろう。
KP:君たちは、『何故か』または『約束して』、この場所に二人でいる。
美しい桜並木の中、こうして連れ立って歩いているのなら、仲がいいはず
……
だろう。
普通なら、きっと。
どうしてだろうか、君たちは口喧嘩を挟んでしまうのだった。
KP:桜並木の中、なんと風情のない事か。
近頃仲良くなったかもしれない。関係が深まったかもしれない。だというのに、君たちの根本は結局相容れないことがある
……
の、かもしれない。
さて。
「お前が居てはこんな綺麗な桜も台無しだ」
などと思ったか。言ったか。
そんな調子で、二人。
なんだかんだと、着かず離れずで歩みを止めないのである。
金雀枝 柑爾:今日は忙しくもなく、街中をあてもなくブラブラしてた。
そんな中、菓子を持っていたコイツを見かけちまったもんだから、突っかかりにいかないわけがないだろ。
「よぉ、師匠(せんせい)。何してんだ、一人で花見か?」
鈴鹿 巴:「ゲッ、若さん
……
!」
「別に一人で何してようとこっちの勝手でしょ~!?」
桜がいい感じに咲いてたから花見がてら、近くの公園とかで桜を眺めながら好物のわらび餅でも食べるかと思って歩いていたのに。ここで若さんと出くわしてしまうとは、俺もツいてない。
これはやらないんだからな?!と言いたげに菓子の入った袋を後ろにサッと隠す。
金雀枝 柑爾:取るかよ、んな乞食みたいなことするか。
「こっちにも関係あんだよ。勝手にフラフラどっか行かれると困るんだよ」
そう、あれから一人の時間が長いと妙にソワソワするようになっちまったのだ。
「また誰かにお手付きされて、一人じゃかわせねぇんだろ?」
そう言ってうなじを指で撫でる。
鈴鹿 巴:「うひぃ
……
っ!」
ついつい色気もへったくれもない声を上げてしまった。それもこれも若さんが変なところを突然触るからだ!!むむむっと表情を変えると俺はいつものように若さんに食って掛かる。
「勝手にどっか行かないし!それに、あの、それは違うんだって!突然だったからかわせなかったっていうか~!!」
俺の気も知らないで、若さんってば。
俺だって若さんいないと不安で寝れない夜だってあるんだからね!!まったく!
金雀枝 柑爾:「ふーん
……
不意を突かれると弱い、と
……
今みたいに?」
ハッ、と鼻で笑う。
鈴鹿 巴:「そ、そーだよ!だからそういうことしないで!」
そう言って先程撫でられたうなじの辺りをさすさすと触りながら言う。
金雀枝 柑爾:「イヤだね」
耳元に口を寄せた。
「テメェは弱いとこ突いたときが一番イイ反応すんだ」
「なあ、自分でもわかってんだろ?」
鈴鹿 巴:「んっ
……
!!」
「ばっ、な、なにすんのさ!!」
ビクッと体を震わせながら、離れたいのに離れられなくてプルプルしてしまう。
「そんなとこ攻めなくていいから!!!」
「ってかここ外だから
……
!!人に見られちゃうでしょ!!」
金雀枝 柑爾:「じゃ、次は人に見られねぇ部屋ん中でヤるわ」
愉快そうにクツクツと鼻で笑い、離れた。
KP:〈知識〉
HO1のみ〈アイデア〉でも可
金雀枝 柑爾:CCB<=65 知識 (1D100<=65) > 12 > スペシャル
鈴鹿 巴:CCB<=75 知識 (1D100<=75) > 88 > 失敗
KP:この並木道の桜は、他と違い珍しいものである。
4月中旬まで綺麗に咲くもので、ニュースキャスターも毎年話題にしているものだ。
KP:柑爾のみさらに〈生物学〉
金雀枝 柑爾:CCB<=1 生物学 (1D100<=1) > 56 > 失敗
KP:それ以上のことは思い出せない。
金雀枝 柑爾:「そういや、ここの桜って
……
」
と、今朝テレビで見たことを思い出して共有する。
鈴鹿 巴:「ふーん?珍しい桜なんだね
……
」
「でも散っちゃう桜を見るのは何か寂しいかも
……
」
なんて言いながら桜に想いを馳せて、俺は変わらず若さんの隣をプラプラと歩く。
KP:君たちは会話をしながら歩き続ける。
その途中、随分開けた場所に出た。
左手側には桜並木。
そして右手側には仮設の壁が立てられており、中で工事を行っているのだろう。
KP:〈目星〉
金雀枝 柑爾:CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 92 > 失敗
鈴鹿 巴:CCB<=60 目星 (1D100<=60) > 63 > 失敗
KP:二人とも通り過ぎて行こうとした。
壁の一部が透明になっており、その中が目に入る。
KP:中には、長方形の美しい鏡石のようなものが見えた。
仮設の壁に文字が書かれている。
「鼠花文化劇場再開発計画」
どうやら、その建設予定地になるための工事現場らしい。
まだ仮設用テントや僅かに積まれた木材。少ししか見えないが、地下を掘り進めているような形跡が見える。
工事自体は始まったばかりのようだ。
[HO2] KP:以前、師匠から聞いたことがある。そういえば、古くなった施設を新たに一から作り直す計画が立ったと。これまでの劇場よりも広くなり、買い物ができるようなショッピングモールに似た複合施設や、その為の催し物もできるようなホールが増えるらしい。
[HO1] KP:何故か、血の匂いがした。気がした。
そう思ったのは一瞬で、今はただ春先らしい風が君を撫でた。
金雀枝 柑爾:「
……
ん」
ふと、無言になる。すんと鼻を鳴らし、口を引き結んだ。
鈴鹿 巴:「工事してるね
……
」
「そういえば此処にショッピングモールみたいなのができるみたいだよ」
若さんに見てみなよ~って工事現場を指さしながら師匠から聞いた話をペラペラと若さんに共有する。
金雀枝 柑爾:「ん、ああ
……
」
声をかけられハッとする。
「随分賑やかそうなモンができるんだな」
鈴鹿 巴:「そうそう、楽しみだよね」
「
……
?」
なんだか若さんの様子が変だ。それが少し気になって彼を見上げながら声をかける。
「若さん、なんかあったの?」
金雀枝 柑爾:「ああ、いや
……
別に
……
」
と、歯切れが悪そうな返答。
「
……
最近疲れてるだけかもしれないな。デカい幹部会に顔出さなきゃなんなかったから。それだけだ」
鈴鹿 巴:「え、疲れてんの?若さんが?!」
いつも平気そうで、なんでもない顔ばかりしている若さんが、疲れている?!珍しいこともあるものだ。それくらい最近は忙しいのだろうか?と首を傾げながら言う。
「若さん、言っちゃなんだけどこんなとこで俺と花見なんて行ってて大丈夫なの?」
「いや、まぁね、俺が若さん癒してあげられなくもないけどね~?この俺の巧みなトークで~?」
後半は調子に乗っているが、若さんを心配してるのは変わらない。
金雀枝 柑爾:「オイうるせぇ、余計疲れるだろ。ただ色々重なっただけだ
……
」
キョロキョロと周りを見回し、それから小声で。
「オヤジが倒れたり、車に轢かれたり、それでいつもは呼ばれない幹部会に呼ばれたり。本当に色々な」
一応オヤジが倒れただなんだっていうのは、別の組の奴に聞かせる話じゃねぇからな。周りの確認をした。
「テメェこそなんもねぇのかよ。最近」
鈴鹿 巴:「ええ?!若さん車に轢かれたの?!ちょっと聞いてないんだけど!!入院してたらお見舞いに行って甲斐甲斐しく看病とかしてあげたのに〜!残念!」
勿論小声で騒いでいる。聞かれたらやばいやつかもって思ったから若さんの耳元でキャンキャン喋っている。
まぁ、うるさいと言われてもこれが俺なのだから諦めてくれという気持ちだ。
「なんにしても大変だね」
「俺?俺の方は特に
……
あ、でも最近は変な夢見るくらいかな~」
と何でもないようにこれまで見た夢の事を言う。
金雀枝 柑爾:「あ゛?ちげぇ、オヤジがだよ。つっても怪我もなくピンピンしてるがな」
コイツ小声でもうるせぇ。口を手で塞いだ。
「変な夢か。まあ、それならいいか」
「誰かに目付けられてるようならすぐ言え。後付けられてるだとか。相手ブチのめしてやる」
KP:s1d100 (1D100) > 46 ※ただPLを驚かせるために振ったブラフシークレットダイス。
鈴鹿 巴:なんだ、若さんじゃなくてオヤジさんだったのか。
「もがもが
……
」
若さんの言葉に、俺は口を塞がれつつも首を縦に振った。
まぁ、そんな俺が巻き込まれる事はないと思うし、大丈夫でしょ!なんて軽く思いながら。
金雀枝 柑爾:口を塞がれながらもまだ喋ろうとするコイツに、いつもの生意気さを感じる。
そんなとこに安心する自分に苦笑いをし、手を離した。
KP:そうして二人はまた歩き出す。
KP:鈴鹿巴。
君は工事現場の方から、超音波のような甲高い金属音を聞く。
思わず音の方に目を向けた。だが、壁に仕切られた現場で、音の正体が掴めない。
KP:一体なんだったのだろう。
……
そう思った瞬間、また音が聞こえる。
今度は、耳に突き刺さるほどの轟音。何かが破裂する音。鈍く、なにかが潰れる低い音。
KP:巴はようやく気づいた。
今の音が聞こえたのは、工事現場からではない。
確かに、隣から、聞こえた。
鈴鹿 巴:「なに
……
これ?」
「音?」
そして俺は隣にいる若さんを見る。
確かにその音は隣から聞こえた気がしたのだ。
KP:巴の視線が泳ぐ。
二人の目が合った。
金雀枝柑爾の身体には、触手のようなものが突き刺さっている。
KP:柑爾は、何が起こったか分からず、避けることも叶わず。
そのまま、倒れた。
KP:巴はその光景から目を離せずにいた。
KP:人が死ぬ瞬間。それを目にしたことがあるだろうか。
人は、恐怖を覚え、怒りを知り、そして、絶望をする。脱力感が初めに来るかと思いきや、現実離れした光景の、現実の理解に追われてる。
だって、先程まで生きていたモノがこんな簡単に死ぬわけが無いのだ。そう信じたいのだ。
なのに、目の前の現象を死以外で表すことが出来ない。
KP:得体の知れない触手のようなものは、蛇のように素早く動きどこかへ逃げていく。
たかがあんなもので突き刺されたくらいで、死ぬわけがない。あんなもので人が死ぬわけがない。
KP:だというのに、柑爾からは見たことがないほどに血が溢れている。
並木道を赤が濡らした。地面の土に命が染み込んでいく。
凄惨な光景など意に関さず、桜の花びらは舞い散る。美しい花弁が赤に沈む。
鈴鹿 巴:「わ、若さん
……
?」
KP:あァ、なんと言ったか。
かの文豪も桜の樹の下には何とやら、と言っていた。花が美しいのは、生命の骸のおかげだと。
だと言うのならこれから、目の前の悪友は花となるのだというのだろうか。彼自身は、花を彩る贄となるというのだろうか。
KP:誰だって、わかるじゃないか。
こんなもの、誰だって助からない。
春は節目の季節であり、そして存外簡単に別れを運んできた。
KP:片割れの死の間際を目撃した巴はSANチェック 1/1d6
鈴鹿 巴:1D100<=77 正気度ロール (1D100<=77) > 17 > 成功
[ 鈴鹿 巴 ] SAN:77 → 76
金雀枝 柑爾:「は?なんだ
……
クソ
……
」
混乱しながら立ち上がろうとして、傷口から血がボタボタと落ちる。
咳き込み、口からも血を吐き出す。
鈴鹿 巴:「若さん
……
!若さん!!」
「ヤダ!
……
ヤダ!!置いてかないで。なんで、なんでこんな、なんで??」
どうにかならないかと若さんの体から血が流れるのを止めようと自分の着物や手で止めようとするけれど、赤い紅い血は止まることなく俺の指をすり抜けて流れ落ちていく。
「ねぇ、なんで?止まってよ
……
ねぇ!!」
まるで命を取り溢してしまうみたいでそれが俺にとっては絶望でしかなくて、思わず若さんの体に体を重ねる。この身体が血に染まっても構わない。それでも彼を助けたい気持ちは強かった。
「やだ、死なないでぇ。若さん
……
」
金雀枝 柑爾:「馬鹿野郎、しぬ、わけ
……
」
言いながらも顔から血の気が引いていく。
力が入らず、どんどん命が失われていくのがわかった。
「は
……
死に際としちゃ、悪くない、か
……
極道者やってて、静かに死ねる、なんてよぉ
……
」
「せんせい、よぉ
……
死ぬのなんて急だし、あっけないもんなんだぜ
……
」
相手の手を取り、傷口から離させる。首を横に振った。
「泣くな、笑えよ」
「俺は覚悟決めて極道やってんだ、未練なく逝かせてくれ」
「桃樂亭片喰、お前は落語家だ。なら、笑顔を寄越せ。俺にも、お前自身にも」
そう言って、無理矢理笑おうとする。
鈴鹿 巴:「泣くなって
……
笑えって、無茶言うなよ」
ポロポロと涙を隠そうともせずに流しながら、俺は一度離れた若さんに再び顔を近づけて言う。
「馬鹿言え、落語家は口で食ってんだよ、笑顔なんか
……
」
なんだよ、落語家もそりゃ演技やってるようなもんだけどさ、それでもこんな時に笑えだなんて、若さんも酷なこと言うね。ほんと、悪い男だ。
「っはは
……
」
「一度しか言わないからちゃんと耳かっぽじってよく聞いときなよ」
「若さん、好き
……
ずっと大好きだよ」
そう言って血で汚れた若さんの口に自分の唇をそっと重ねる。
金雀枝 柑爾:驚きゃするが、押し返す力はもうない。
「んだよ、最高に笑わせてくれるじゃねぇか」
「ともえ
……
なあ、俺も
……
」
喋る力も、唇を追いかける力も。
ああ、どんどん抜けていく。
鈴鹿 巴:「若、さん
……
?」
「ねぇ」
ねぇ、最後なんて言おうとしたの?
ねぇ、俺聞いてないよ?
ちゃんと笑ったし、若さんのこと笑わせたじゃん。
ねぇ、返事してよ。若さん
……
!
「俺を、置いてかないで
……
」
KP:金雀枝柑爾の意識は、命の灯火は、もうすぐ消え失せる。
KP:その直前。
君たちを強風が撫でた。
KP:柑爾の最期の光景は、桜の花びらが舞った景色。
二人は風の強さに思わず目を瞑ってしまった。
KP:ひとしきり吹いた風が弱まった頃。
巴が思わず目を開けば景色が一転していた。
KP:そこには壮観な藤棚が広がっている。
桜並木が、薄紫の景色に変わっている。
辺りには道も工事現場も、血液も何も無く、ただ淡く薄い霧が立ち込めているだけだった。
KP:そして、その先に人の姿がある。
佇む男は君の気配に気づいて、振り向いた。
十羅矢 椎:「久しぶり
……
元気だった?」
KP:君は、十羅矢 椎(とらや・しいな)と突然の再会を果たす。
KP:フランスの数学者、ピエール=シモン・ラプラスは言う。
世に蔓延るあらゆる原子の状態や力を知ることができ、さらに解析できるだけの能力があれば未来を完全に予測できるのではないか、と。
KP:この考えに大きく関わるのが、決定論と呼ばれるものである。ラプラスは決定論者であった。
今の地点より、未来に起きるあらゆる出来事は、これまでに起きたことに起因すると考える。ならば、規則性や原子の状態を解明できれば、過去であろうと未来の予測が可能ではないかというものである。
KP:世に有名な、ラプラスの悪魔と呼ばれるものはこんな所だろうか。
彼の言う悪魔は、その全てを予知するほどの知性を指すが、果たして先の先の未来まで予測出来るものは存在するのだろうか。
KP:君の知る真実は、必ず全てが正当であると断言出来るだろうか。ラプラスの悪魔でもないのに、一つの観点しか知らない君に、どうして真実だと断言できるのだろうか。
KP:その代表的な例こそ「死人に口なし」だ。
あの日、死した者の内にある感情を君は全て理解出来るだろうか。後悔も怨嗟も、或いは憎悪も、憶測なんて無駄に等しい。
都合の良い真実というだけならば、如何様にも変幻する。
真実の追求は、誰かが以前に信じていた全ての”真実”の疑いから始まるのだ。
KP:クトゥルフ神話TRPG
「ラプラスの遺言」
――
開幕
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