enoki181
2024-06-21 13:05:09
101489文字
Public リプレイ
 

【CoC】ラプラスの遺言(柑爾×巴)

PL:黝さん、エノキ(KP兼任)
シナリオ https://shirohappa.booth.pm/items/4503304


【HO1 個別導入】


KP:ある日の昼下がり。
今日の君は、みかじめだとか、そういった普段の仕事ではなく……少しだけ珍しい仕事に赴くことになった。

KP:君は部下の運転する車の後部座席に腰掛けている。
隣には組長である黒八鬼柳平が座って、ため息をついていた。

黒八鬼 柳平:「毎度毎度、この日はどうも気分が上がらねぇなぁ……しかもよりによって今回は、ガチのやつと来た」
「名誉なことなんだけどなぁ、はぁ……

KP:本日の業務。
それは、定期的に行われる「星侠会の幹部会」であった。
それも、イレギュラーの。

KP:いつもの「幹部会」といえば、黒八鬼組の上に存在する直系団体である「灰馬組」の組長からの召集を指す。

直系団体たる灰馬(はいば)組の下には、三つの三次団体が存在する。
柳平が収める、黒八鬼組。白狗という男が収める、白狗組。猪(いのし)という男が収める、茶紋会(さもんかい)。
この三組は、他組織に比べれば昇進にあまり興味のない組長達である。落とし合うこともなく、時に喧嘩をするが比較的友好的な関係であるらしい。
よくある幹部会は、この三人と灰馬組の組長で行われるものである。

KP:今回呼ばれた「星侠会の幹部会」とは、もっと規模の大きなものだ。

関東最大の勢力を誇る星侠会には、多くの直系団体が存在する。
80以上の直系団体、そして約2万人の構成員を抱えるという巨大組織だ。

本来幹部会に招集されるのは、直系団体の中でも都市部に近い場所に代紋を構える組の長。
三次団体たる黒八鬼組が呼ばれること自体は、普通なら有り得ない。
更にイレギュラーなことに、君も名指しで呼ばれて同行しているのだ。

KP:柳平はずっと気乗りしない様子だ。
君は何と声をかけるだろうか。

金雀枝 柑爾:「この前の傷がまだ治ってないから、とかじゃなさそうですね?」
「でもまあ、無理はしないでくださいよ。俺もいるんで、押し付けたらいいんですよ」
この人、この前車に轢かれたからな。その割には元気にしてるが。

黒八鬼 柳平:「おう、ありがとうな!傷はまあ大丈夫よ」
「今回の招集、別に悪い話は聞いちゃいないが……ハァ……

金雀枝 柑爾:「オヤジがんな嫌がる理由、他にあるんですか?」

黒八鬼 柳平:「んー……いや……
「俺はお上の連中の『ドロドロした競り合い』が好きじゃない、ってだけなんだけどな」

「たまに本部に来るときはよぉ、襲にあれこれ任せっぱなしだったな。アイツ、本部の人間に興味があったらしい。なんなら、襲の方が本部のこと詳しかったくらいだ」
「今回も探したけど、捕まらなくてなー……たまに組に来るくせに、こういう時だけいないの、なんなんだよ」

金雀枝 柑爾:「へえ」
襲とは少し因縁がある。いなくてよかったと密かに安堵した。
「俺は変わりにつれてきたんです?」

黒八鬼 柳平:「ああ、違う違う。ちゃんと話してなかったっけか」
「お前を連れてこい、って本部の関係者に言われたんだよ。だから、柑爾も誰かに話しかけられるかもしれないな」

金雀枝 柑爾:「ハァ?俺を?なんでまた」

黒八鬼 柳平:「知らねぇ。若頭だからじゃねぇの」
「ま、帰りにうめぇ唐揚げ奢ってやるから。我慢してくれよ」

金雀枝 柑爾:「オヤジは相変わらず唐揚げ好きですね。若いな」
……いつまでもその調子でいてくださいよ」

KP:話をしていると、車が到着した。
本部の外観としては和の大きな屋敷のようだ。組長と君は二人で中に入る。

KP:内装は古き良き日本文化を重んじていながらも、洋風も取り入れた洒落たデザインである。
荘厳な赤いカーペットの上を歩いていけば、やがて辿り着く。
君は、柳平が幹部会に出ている間、別室で待機となる。

KP:君が通されたのは待合室だ。
星侠会の歴史が簡易的に展示されている。時間潰しに目をやってもいいだろう。

KP:〈目星〉

金雀枝 柑爾:CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 54 > 成功

KP:歴代の幹部や組織の人間の写真が並ぶ。多くの組織があることは知っているが、あまりにも多すぎて見慣れない顔ばかりだ。
ふとその中に、変わった顔立ちの者を見つける。

君はその写真をよく見ることが出来る。
それは、目元が窪んでいて、眼球は中心から離れており……どこか魚のような見た目をしていた。その顔に、極道らしい威圧感があると言えばあるのだが、こんな幹部がいたとは知らなかった。

金雀枝 柑爾:「ン……?」
変な顔してやがる、と首を傾げて眺める。

KP:「気になりますか?」

背後から声が聞こえて、振り返る。
そこには見慣れぬ浅葱色の長髪を携える男が立っていた。にこやかに微笑み、待合室のソファに座る。

牡丹 華蛇:「灰馬組の初代組長ですよ。現在の灰馬組の組長のお爺様です。顔つきが怖いと当時は近づくものも少なかったようですが、顔に似合わず温厚だったようですよ」

金雀枝 柑爾:「テメェ、どこの組のモンだ?」

牡丹 華蛇:「あぁ……申し遅れました。私、白狗組の若頭の牡丹華蛇(ぼたん・かだ)と申します」
「金雀枝柑爾さんですよね。お噂はかねがね」

金雀枝 柑爾:「噂だぁ?」

牡丹 華蛇:「えぇ。以前、ある会合にて貴方様の話を聞きまして。随分腕が立つようですね。私は、金勘定の方が得意なもので、羨ましい限りです」

金雀枝 柑爾:たしかに腕っぷしは強くなさそうな、頭を使う方が得意そうな奴だ。
端的に言えば、ヤクザらしくない。
「それで、俺に何の用だ?」

牡丹 華蛇:「ふふ……特別な用事があるわけでもないんですが。貴方が面白そうな方なので、お喋りはしてみたかったんです」

金雀枝 柑爾:「は?どんな噂を聞いたんだ、いったい」

牡丹 華蛇:「色々聞いてますよ。翔汰から。お友達なんでしょう?彼と」
「そもそも、今日の私は翔汰の代理なんです」
「たかが三次団体の若頭だっていうのに幹部会に呼び出されてきたのも、きっと貴方と同じような理由でしょうね」

KP:君は宇鷺 翔汰(うさぎ・しょうた)のことを思い出す。彼も白狗組に所属する極道だ。

金雀枝 柑爾:「ああ、アイツかよ。友達でもなんでもねぇよ」

牡丹 華蛇:ふふ、と笑う。

牡丹 華蛇:「噂によれば、例のメデューサに黒八鬼さんとこの若が絡んでいたそうじゃないですか」
「現在の灰馬組の親っさんは、我々に『上に目をつけられないように』と命じましたが。事が事ですから、一部にはバレてしまったようで」
「私の予想が当たるなら、我々が呼ばれたのは、この件かと」
「恐らくは、責任どうこうを追及されるものではないと思います。事実、薬はパタリとなくなりましたから」

金雀枝 柑爾:ふうん、と気のない返事をしつつ。
「さすが頭を使うのが得意と見える。詳しいんだな」

牡丹 華蛇:「お褒め頂きありがとうございます。お陰様で、次期組長が近付いてきているようで。荷が重いですよね、はは」

牡丹 華蛇:「……そういえば、噂をしていた方が奇妙な話をなさってました」

金雀枝 柑爾:「奇妙な話って?」

牡丹 華蛇:「メデューサは赤い錠剤だったのに、翔汰の話によれば、黒い錠剤を服用していた奴がいた、と」
「近頃そのメデューサの噂を追いまわす連中がいて、奇妙な動きをしているそうですよ」

牡丹 華蛇:「これは私の推測ですが。どうも、黒い錠剤、というのを服用した人物を探しているようですね」
「確か、その件で一人お亡くなりになられている方がいらっしゃいましたね。探しているのがその方であれば、何ら問題は無いのですが……

「黒い錠剤を飲んだ人物がまだ生きていて、それを本当に探しているのだとしたら……その方に極道の手が伸びるやもしれませんね」

KP:〈アイデア〉

金雀枝 柑爾:CCB<=45 アイデア (1D100<=45) > 27 > 成功

KP:鈴鹿巴が、彼の友人=十羅矢椎に黒い錠剤を飲まされたことを覚えている。
誰かに質問されても、念の為に「知らない」と言うべきではないだろうか。

KP:突然、華蛇の柔和な表情が強ばり、視線が扉に移る。
そのタイミングで扉がノックされた。
入ってきたのは、黒いスーツを纏った男である。

KP:〈目星〉

金雀枝 柑爾:CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 13 > スペシャル

KP:本部の人間である紋章がある。恐らくは本部の秘書のようなものだろう。

KP:「三次団体の構成員である君たちにもご足労いただいたわけなんだが、用件は一つ」
「以前、メデューサという薬が蔓延していたことは知っているな?」
「その薬について奇妙な話を聞いた。黒い薬があった、と。それについて何か知らないか?」

案の定、その質問だった。

金雀枝 柑爾:「……いや、何も知らないですね」
「ちょうどそのことについて話してたんですが、白狗さんも何も知らないみたいです」
ちら、と牡丹に目を向けて。

牡丹 華蛇:「ええ」
にっこり

KP:左様ですか。なら、結構です。ありがとうございます。もしまた、分かりましたらこちらにご連絡ください」
名刺を渡される。

KP:どうやら幹部会も終わったらしく、扉の外が少しざわざわしているのが分かる。
先に男は出ていってしまい、華蛇もそれを見送る。

牡丹 華蛇:「なんとかなりましたね」
「さて。私も帰ることにします。……また、お会いした時はよろしくお願いしますね」

KP:華蛇はにこやかに笑って去っていく。

金雀枝 柑爾:「……また、ね」
奴が白狗組の若だっていうなら、確かに、そのうち会うのだろう。
どこかいけすかないと思いながら、オヤジと合流に行くのだった。

KP:〆個別導入終わり


【HO2 個別導入】


KP:春先の微睡みが君を眠りに誘う。今日はどんな夢を見るのだろう。

KP:威厳のある風貌の男がソファに座っている。真剣な表情を一人の青年に向けて。

青年の顔には見覚えがあった。
黒八鬼襲(くろやぎ・しゅう)。君を気に入り、君にキスマークをつけたあの男だ。

KP:二人は緊張感のある空気の中で話をしている。ここは一体どこだろう。

KP:「例の薬の売買に、そいつが関わってるのは分かったけど……で?君のお願いは?」

「この薬騒動に乗じる形で、不自然のないように鈴鹿巴という人間を守ってくれ」

「なるほど、じゃあそれが例の子だね」
「うーん、二つ返事でいいよって言ってあげたいけど、嫁探ししてる身なんだ。気に入ったらそれ相応の対応するけどいいの?」

……先も言ったが、『連れて』行くのなら、もう一人も同行させろ」
「金雀枝柑爾という人間だ。君の組にいるだろう。私に聞くより、恐らく彼がそれを許しはしない」

KP:襲が腹の底から笑い出す。口元を抑えて一頻り笑った後に「アイツ、か」と目を細める。

KP:「面白そうなの見れそうだから、いいよ。でも飽きたらそれで終わりだけどいい?」

……保護の呪文はどれくらいまでもつ?」

「その守って欲しいってやつの体質によるね。保護の効果が切れたら、どうしようも出来ないけど……薬にしちゃえば効果の延長はできるからそれを渡すね」

「恩に着る」

「ん、決まり。じゃあ、この黒い薬を渡しておく。……ちゃんとバレないように飲ませてね?」

「それにはツテがあるから問題ない」

KP:〈アイデア〉

鈴鹿 巴:CCB<=75 アイデア (1D100<=75) > 12 > スペシャル

KP:男の顔が、どこか十羅矢椎(とらや・しいな)に似ていた。

KP:そうして君は夢から目を覚ますことになるだろう。
一体この夢はなんなんだろうか。

鈴鹿 巴:「十羅矢……!」

そう言って俺は飛び起きた。
起きた俺は寝汗をしっとりかいていて、息も少し荒い。落ち着ける様に肩で息を何度か繰り返す。

「夢、か……
「夢にしては、妙な夢だったな……

落ち着いてきたところで、俺は夢の事について考える。

あの夢はなんだったのだろう?
もういない彼がしかも襲さんと一緒にいたなんて……しかも薬って……色々と考え出したらキリがないが、時計をふと見たらもう朝だ。支度をしなければならない。

考えるのはまた後にして、夢に後ろ髪を引かれながらも俺は起き上がった。