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pinopipi
2026-05-18 23:07:05
99483文字
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交錯する恋花にレクイエムを②
ヌヴィフリ花吐き病の話②/長編/捏造しかない/何でも許せる人向け/メタ発言注意/ほぼ地獄のターン/一部キャラ崩壊注意
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それからフリーナは、日常の中に様々な違和感を感じるようになった。
1つ目。全く悲しくなんかないのに涙が出てしまうことだ。ホテル・ドゥボールのケーキやこの前食べたマカロン、それからパスタ
…
特にスープパスタを食べると涙が止まらなくなる。お気に入りのフレーバーの紅茶も、涙が溢れる所為で飲めなくなってしまった。本来であればこれらはフリーナの大好きなもので、どれも美味しくて幸せな気持ちになる筈なのに。それで悩みに悩んで迷走したフリーナは、もしかして味がするもの全般がダメになってしまったのか
…
?と思い至り、水を試してみたが、水なんか飲んだ日には涙腺が決壊して顔面が大惨事になってしまうことが判明した。本当に意味が分からない。
めげずに様々な飲食物を試した結果、外国のお茶や料理に関しては何も問題がなかったことから、暫くはフォンテーヌのものを避けるという結論に至った。
「やっぱり僕、疲れてる
…
?最近涙脆いのは、精神的に不安定だからなのかなぁ
…
。」
2つ目。花を見ると何故だか気分が悪くなった。それは品種問わず全てダメで、造花でさえも無理になった。特に花の甘い香りは身体が拒絶し、ものすごく吐き気がする。実際に吐いたりはしないが、しばらく吐き気がおさまらなかった。例えば、ナヴィアの帽子に付いている薔薇の飾り。花の香りがするエミリエの香水。花屋の前は通れないし、花瓶の花も、道端に咲いている花も、全て視界に入れたくない。フリーナは、彼女たちには本当に申し訳ない
…
僕は花が好きなはずなんだけどなぁ
…
。と罪悪感を抱いた。昔は公演後に毎回大きな花束を貰うことが嬉しかった。楽屋までそれをわざわざ直接渡しに来てくれるのを、いつも楽しみに待っていたというのに。
「
………
って、あれ?僕、ファンから直接花束を受け取ったことなんてあったっけ?それに、楽屋は関係者以外立ち入り禁止だからもちろんファンは中に入れないはずなんだけど
…
。歌劇場の職員かな?うーん
…
でも全然顔が思い出せない
…
。僕、人の顔を覚えるのは特異なはずなんだけど
……
おかしいな、全然覚えてないや。」
3つ目。最近、よく男の人から告白されるようになった。それは仕事で関わったことのある劇団関係者やファン、外国からの旅行者など
…
色んな人がいた。フリーナは、まさか、モテ期到来
…
?!なんて最初は浮かれてみたりもしたが、結局のところ全て丁重にお断りしている。だって、全然心がときめかないんだもの。むしろ、何故だか拒絶反応すらある。好意を向けられること自体悪い気はしないし、彼らに全く非はないのだが、フリーナは誰かとお付き合いをする気にはなれなかった。そもそもフリーナは、美しいものが好きだ。男性の好みだって例外ではない。整った綺麗な顔が好き。それから
…
一緒にいて楽しくて、安心できて、フリーナだけを一途に愛してくれて
……
自分の正義をしっかり持っていると尚よし。そう、つまりこのフォンテーヌで一番かっこよくて、綺麗で、優しくて、誠実で
…
とっても素敵な人がいい!
…
と、割と本気で思っている。だが実際フリーナにはそのような完璧な男性など全く心当たりがないし、そもそもこの世界に存在し得るのかも分からない。
…
正直、この理想を叶えるのは不可能に近いと思っているのも事実だ。
…
それでも。理想が高すぎると言われてたってフリーナは、『短い人生、夢ぐらい見たって良いじゃないか!』と返すのだ。
「
…
そういえばこの前、告白を断った後に「やっぱりまだあの方のことが忘れられないのですか?」って聞かれたけど
……
”あの方"って誰だろう
…
?でも、その疑問をそのまま返してみたら彼は気まずそうな顔をして、何も言わずにいなくなってしまった。
…
うーん
…
変なゴシップでも出回っているのかな
…
?僕には好きな人がいたことすらないのにね。」
4つ目。これが一番気味が悪かった。廷内を歩いていると、たまに虚空へ向かって話しかけている人を見かけることだ。それは特にメリュジーヌたちに多い現象で。随分上の方を見上げながら嬉しそうに、楽しそうに、時に緊張をした面持ちで話しているのだ。
…
まぁ、テイワットにはまだまだフリーナの知り得ない様々な種族が生きているというのだから、常人には見えない”何か”も実は身近に存在しているのかもしれない。
…
でも。
「ま、まさか幽霊
…
!?怖い
…
怖い怖い怖い!!メリュジーヌは特殊な視覚を持っているから、幽霊も見えたりするのかな
…
?
…
だけど、まだ明るい時間だったし
…
たぶん
…
幽霊ではない
…
はず
……
うん、きっとそうに決まってる。お願い、そうであってくれ。
…
実際どうなのかは怖くて聞けない。それに
………
なんだかよく分からないけれど、僕も最近どこからか視線を感じるような気がするんだ。うぅ
…
こんなの、さっさと逃げた方が良いに決まってる
…
!」
*・*・*・*・*・*
「
…………
はぁ。」
フリーナは回想を終え、大きくため息をついた。
なんだか気が滅入ってしまう。最近ずっと雨が降り続けているせいだろうか
……
何だか、胸にぽっかりと穴が空いたような寂しさを感じる。
まるで大切な何かを忘れているような
………
しかし、考え始めると酷く頭痛がするのだ。それならば無理に考えない方が良い。もし忘れていることがあるならば、いつか思い出すだろう。どうでも良いことなら、別に思い出さなくても良い。現状、フリーナは何か思い出せずに困っているという訳ではないのだから。
はぁ
…
と、フリーナはもう一度ため息をつく。何をしても気分が上がらない。何か
…
面白いことはないだろうか。
今は長期休暇中で、スケジュール帳はまっさらだ。つまり、暇を持て余している。
自宅の中をきょろきょろと見渡すと、ふと玄関の隅に小さなトランクケースが置いてあるのを今更ながら発見した。
…
あれ?あんな所に置いてあったっけ?と疑問に思ったが、その瞬間、フリーナはピン!と閃いた。
「そうだ!しばらく仕事の予定もないし、どこか旅行にでも行って気分転換しようかな!そうだ、それがいい!」
フリーナはすぐに旅行計画を立て始めた。
行き先は迷いに迷ったが、最終的に璃月と稲妻で迷って、フォンテーヌから比較的近い璃月に決めた。
胡桃は元気かな、とフリーナは天真爛漫な友人の姿を思い浮かべる。
…
うん、楽しくなってきた。
早速フリーナは旅行の準備に取り掛かった。
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