炊事場の向こうには、隣接する、一段高い場所がある。ジャミルが予想した通り、ここの住人は、そこで食事をとっていたのだろう。二人はそこにスマホのライトを向けた。
何かが、落ちている。
茶色く変色したボロボロの紙。ライトを当てると、薄く文字が浮かび上がった。
「この書きぶり、ペンではないな。鉛筆、か」
「子どもの文字のようですね。これなら、俺も読み取れそうだ」
二人は、ライトを照らし、その文字を読み取った。
「おかあさんの ごはんは おいしいよ」
読み取った二人から、小さなため息が漏れる。
「何かのヒントかと思ったけれど、子どもの日記、だなんて」
「もっと面白いモンかと思ったぜ」
そう言いながら、二人はその先を照らした。そうして、絶句する。
おそらく、その先は、食事をする部屋に通じていたのだろう。だが、そこに二人が行くことはできなかった。二人がいる部屋から、その部屋に行く通路には、大きな箪笥が倒れている。元は、食器を入れる棚だったのだろう。その倒れた棚の向こうには、割れた食器が散乱している。うまく棚をよけて通ったとしても、割れた食器で足を怪我することは、避けられないだろう。その奥には、もう一つ入り口が見えるが、廊下に穴が空いているため、その中に入ることは、叶わない。
「はあ、この先は立ち入り禁止、か」
レオナがため息をついた。
「ああ、でも、ここに扉が」
その部屋の隣。ジャミルはそこに、小さな扉を見つけた。二人が入っていた玄関に比べると、小さな扉だ。だが、そこにも鍵がかけられ、更に、その取手が朽ちて、取れている。これでは、この場所から外に出ることはできない。
「
……」
「ここからは出られない、ってことか」
どうやら別の場所から出る方法を探さなければいけないようだ。
食事をする部屋の探索を終える
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