二人の入っている場所から見て、奥側と左側にある引き戸。確かに、同じ引き戸なのだが、その様子は、少し、違っていた。
奥の引き戸は、二人が入ってきたのと、同じような引き戸である。扉自体に絵が書かれていて、その扉は重い。ジャミルがぐっと力を込めても開かない。レオナがやっても、同じことだった。
左側のそれは、出入り口や奥の扉とはまた、違ったものだった。
木枠の戸の裏に、大きな紙を貼り合わせたもの。障子、と呼ばれるものだ。所々に、穴が空いた形跡があり、それを裏から半紙のような紙で塞いでいる。こうやってライトを照らしてみると、裏から貼り合わせた半紙が、歪な色合いとなり、浮かび上がって不気味だ。
「あれ、ここだけ、補修されていないですね」
子どものヤンチャな行いに、この家の持ち主が補修を放棄したのだろうか。それとも、その破れ目は、家の主に気づかれることなく、ずっとそこにあったのだろうか。四角い枠を斜めに破ったようなその破れ目からは、外の様子がよく見えた。
障子の外は、テラスのようになっていた。床には、板材が敷かれ、その狭いスペースには、木で編まれた机と椅子のセットがある。
「あの椅子、ラタンだな」
レオナは障子の隙間からその家具を見つけて言った。
「やはり、このスペースは来客向けのスペースといった感じがしますね」
ジャミルもまた、そのスペースを見て呟いた。それは、狭いスペースの奥にあるガラス戸の向こうに大きな木を見つけたからである。その木は、中庭で見かけた木だった。中庭を眺めながら、ラタンの椅子に座り、話をする。かつてはそういった時間を過ごした人間が住んでいたのだろう。
「ここも動かねぇな
……」
レオナが障子の扉をぐっと開けるように引く。メキ、と家全体が軋むような嫌な音がした。
引き戸の探索を終える
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