和室の奥にある棚は、木で出来た、立派なものだった。そこには、立派な大皿や花瓶が飾られている。他の部屋に比べると、なんとなくよそゆきの部屋だという印象を受けた。
「ん?」
ジャミルは、棚の上に、茶色に変色した紙を見つけた。スマホのライトでそれを照らすと、鉛筆の薄い文字が浮かび上がってくる。
「
……なんなんでしょうね、これ」
「さあな」
レオナもまた、それを覗き込んだ。書かれた文字を声に出して読む。
「ぼくは おとうさんと おかあさんと 三人かぞく!」
読み上げた途端、レオナがふっと笑った。
「何かと思えば、子どもの落書きかよ」
「拍子抜けしますよね。ああ、でもこの家の家族は三人で間違いなさそうですよ」
ジャミルが、棚の上にあった写真を見せた。セピア色の写真。そこには、三人の人間が写っていた。一人目は、和服に身を包んだ男性。鼻の下に髭を蓄え、写真の中央に立っている。その隣には、着物を身につけた女性。その髪は長く、ジャミルと同じくらいの長さがありそうだ。その髪を背後で一つに束ねている。そして、父親の隣にいる子ども。小学生くらいだろうか。坊主頭で、着物を身につけている。そして、手には、風呂敷包み。どこかへ行くかのような写真だ。
写真を裏返すと、鉛筆書きでメモが書かれていた。達筆な文字だ。大人が書いたものだろう。年季を帯びて、ところどころ、文字が掠れて読めなくなっている。
「××年 4月 × 尋常小学校入学 158」
「小、学校
……?多分エレメンタリースクールに入った頃の写真だな」
「男の子の年齢からしてもそれで間違いないようですね。隣の数字は後から付け足されたもののようですね。文字の濃さが違います」
レオナがその文字を解読し、ジャミルが付け足す。
セピア色の少年は、これからの未来に期待するように、少し緊張した面持ちでじっとこちらを見つめていた。
棚の捜索を終える
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.