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ぱら子
2026-01-13 10:45:37
26376文字
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愛があるが故に
【ルカキリ】現パロで催眠術掛けられる🕯の話がやりたかった
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「見て見てフリンズお兄ちゃん!イルカさん!」
「これはこれは
……
クレーさんはとても絵がお上手ですね」
自分たちが住んでいるマンションから徒歩10分くらい離れた場所にある一軒家でフリンズはアルベドの妹であるクレーが描いたイルカの絵に賞賛の言葉を贈る。
数日前、ファルカから話を聞いて丁度仕事も一段落して余裕のあったので二つ返事で了承し、朝からアルベドの家でクレーの面倒を見てやっていた。
今はリビングの床でクレーが画用紙にクレヨンで絵を描いて遊んでいる。イルカにペンギンにカニなど、どれも子どもらしい絵だが、ちゃんと特徴は捉えているようで何を描いているのか分かりやすかった。
ここでふと周りに並ぶ画用紙の中の絵たちに共通点があることに気付く。
「そういえば、今日のクレーさんは海の生き物の絵をお描きになりますね」
「昨日テレビで水族館のお話をやってたの!」
クレーはヒトデの色を塗っていた手を一度とめて、目をキラキラさせながら言った。その言葉に昨日リニューアルオープンした水族館のニュースがテレビで流れていたのを思い出した。きっとクレーも同じものを見たのだろう。
イルカさんが可愛かったなど身振り手振りも交えて楽しそうにクレーは語る。
「フリンズお兄ちゃんは水族館行ったことある?」
「僕ですか?そうですね、ファルカさんと昔一度行きました」
「いいなぁ〜。クレー、まだ水族館行ったことないの。もし行くなら、ママとアルベドお兄ちゃんとドゥリンお兄ちゃん
……
あとファルカおじさんとフリンズお兄ちゃん!みんなで行きたい!」
クレーは小さな指を折って数えながら願望を口にする。
家族と行きたいというのは分かるが、自分たちの名前が上がったことにフリンズは驚いた。
「おや、僕とファルカさんもいいのですか?」
「うん!だってファルカおじさんもフリンズお兄ちゃんも大好きだから、いっしょに行きたい!」
屈託のない満開の笑顔のクレーにフリンズは胸の膨れるような心地よさを感じ、つられて笑顔になる。ここにファルカがいれば、同じように笑ってすぐにでもみんなで行くぞと言い出すだろう。
想像してクスッと笑っているとクレーのお腹からぐ〜という音が聞こえてきた。
「おなかすいちゃった
……
」
「ふふ。では丁度いい時間ですし、お昼ご飯にしましょうか」
確かアルベドが冷蔵庫や戸棚のものは好きに使ってくれて構わないと言っていたから、あるもので簡単に作ろうと立ち上がった時、壁に掛かっていた時計が目に入った。
12時を指す時計にフリンズの意識がぼんやりとしてくる。
「(時間
……
じかんに、なったら
……
ぼくは
……
)」
頭がふわふわとした感覚になって、他のことが曖昧になっていく。
「(あの家に
……
いか
…
ないと
……
)」
「フリンズお兄ちゃん?」
「っ
…
!」
小さな手が自分の手を握る感触に、フリンズは我に返る。
またボーッとしてしまっていた。頭に手をやり目線を下げると不思議そうな顔をしたクレーがいて、彼女の大きな瞳に情けない表情の自分が映っていた。
「どうしたの?どこかいたいの?」
「ぁ
……
いえ、大丈夫ですよ。何を作ろうかと考え込んでしまいました」
心配するクレーを安心させるため、咄嗟に嘘をつく。クレーは一度目をぱちぱちさせた後、「よかった!」とまた笑顔になった。
「何か食べたいものはありますか?」
「うーんとねぇ
……
オムレツが食べたい!」
「分かりました。お手伝いをお願いしても?」
「いいよ!クレーがんばるね!」
二人でキッチンに行き、専用の台に乗って手を洗うクレーを横目にフリンズは冷蔵庫から卵などの食材を取り出しながら、ふぅと息を吐く。
クレーに声を掛けられるまで何を考えていたのか。ファルカに言われて何日か前に病院で診てもらったが何処にも全くの異常なし。ボーッとしてしまうのは疲れじゃないかと医者に言われた。
「(しばらく仕事を休んでみましょうか
…
?)」
そう考え、手を洗い終えたクレーの元へと食材を抱えて歩いた。
二人でオムレツを作って食べた後、近くの公園で運動がてら遊んだクレーは帰ってきてすぐ寝てしまった。ソファに横たわらせ毛布を被せてやり、可愛らしい寝顔を眺める。
もしファルカと自分の間にも子供がいたら、とつい考えてしまう。男同士で子供なんて出来る訳ないのに。
フリンズはファルカに一度だけ、子供を産めない男の自分と本当に結婚するのか、と聞いたことがあった。子孫を残せず血を途絶えさせるかもしれないという思いから言ったのだが、ファルカの答えは『俺は心の底から愛するフリンズと一緒にいたいから結婚する。子供は重要じゃない』だった。
『もしいつか、子供が欲しくなった時は養子を迎えよう。俺たち二人の愛を受け継いで立派な人間に育ってくれりゃ血の繋がりなんてどうでもいいのさ』
そう言って優しく笑いながら抱きしめてくれたファルカに改めて惚れてしまい、あの時は少し泣いてしまったなと思い出していると玄関のドアが開く音がした。トタトタと歩いてくる足音の方へ目を向けると、学生服姿の少年がリビングにやってきた。
「あ、フリンズさんこんにちは」
「おかえりなさいドゥリンさん」
紫の髪に紅い瞳を持つアルベドの弟ドゥリンが学校から帰ってきたのである。彼は中学生で科学部に入っているそうだが、今日はテスト期間によって部活は休みらしい。
ドゥリンは鞄を置き、学生服のジャケットを脱いで床に座っていたフリンズの隣に座る。
「クレーは寝ちゃったんだね」
「えぇ、たくさん遊びましたから」
「フリンズさんは今日何時までいるの?」
「今日はファルカさんが遅くなるようですのでアルベドさんが帰ってきて一緒にご夕食を頂くまでいますよ」
最近は忙しくてファルカの帰りが遅いため、一人での食事が多くなっていたことを知っていたアルベドが良かったらと提案してくれたのだ。
「じゃあ今日はいつもより賑やかになるね」
「はい、料理は僕が作りましょう」
「本当?ファルカさんがよくフリンズさんの料理はすごく美味しいって言ってたから楽しみだな」
ドゥリンによるとファルカは町で会う度に惚気話をしているらしく、いい大人が中学生相手に何の話をしているんだとフリンズは頭を抱えそうになった。
「そういえば、ファルカさんとフリンズさんってどうやって出会ったの?」
「ファルカさんと、ですか
……
?」
「うん。あっその、変な意味とかはなくて
……
二人ともお互いをすごく大事にしてるのが見てるだけでも伝わってくるから聞いてみたくなって
……
」
ドゥリンは色恋沙汰に敏感になってくる年頃だからか顔を紅くして、指先をもにょもにょと弄り出す。惚気話を聞かせるくらいだし、馴れ初め話なんてとっくにファルカがしていそうだと思ったが意外にもしていないらしい。
どうしようかと迷ったがドゥリンになら話してもいいだろう。
「そうですね
……
四年くらい前のことです」
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