ぱら子
2026-01-13 10:45:37
26376文字
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愛があるが故に

【ルカキリ】現パロで催眠術掛けられる🕯の話がやりたかった



マンションの玄関前に着いたファルカはいつもように鍵を挿して回すが、手ごたえのなさに違和感を感じた。試しにドアノブを掴んでみると鍵を開けてないのにドアがガチャリと開く。中は真っ暗で電気の一つもついていないようだ。
「フリンズ?」
嫌な予感が背筋を冷たく流れた。部屋中の電気をつけながら、姿を探すが何処にもない。勝手に入って申し訳ないと仕事部屋も覗くが、そこにもおらず、デスクの上に資料と一緒に彼のスマホが置かれているだけだった。
「(携帯も持たずにどこ行ったんだ?)」
夜に出ていく用事があるなんて聞いてないし、もしや奴のところか。
その時、ファルカのスマホが短く震える。確認すると知らないフリーメールアドレスから一通のメールが届いていた。題名も本文もなく、写真が一つ添付されているだけ。迷惑メールかと思いつつ、写真を開く。
「なんだ、コレ
目に飛び込んできたのは椅子に拘束され、力なく項垂れているフリンズの姿だった。暗い所にいて頭上からの明かりに照らされているせいで表情は見えない。そして写真右端、手首までしか映っていないが誰か男の手がフリンズの頭に銃口を突き付けていた。
動くことができなくなるほど驚くファルカに今度は電話が掛かってくる。画面には非通知と出ている。
「もしもし?」
『こんばんは刑事さん。送った写真を見ていただけました?』
声質からボイスチェンジャーを使っているであろう相手の言葉にファルカは目を細める。
「何者だ?フリンズはどこにいる?」
怒りと焦りの気持ちを抑え、なるべく冷静に問う。
『まぁまぁ、そう焦らずともこちらの指定する場所に来てもらえれば教えますよ。でも、誰にも言わず一人で来るのが条件です。もし破ったら……分かりますよね?』
「フリンズを殺す、だろ。警察やってんだからそれぐらい分かる」
相手のわざとらしい口調に少し語気が強くなる。相手もそれに気づいてかクスクスと嗤う声が聞こえた。
『話が早くて助かりますね。それじゃ、声ぐらいなら聞かせてあげましょうか』
ジジジというノイズ音の後、聞きなれた声がファルカの耳に届く。
『ファルカ、さん……
「っ!フリンズっ!?」
数時間ぶりに聞いたフリンズの声はか細くて掠んでいた。何か飲まされたり、暴力を振るわれたりしていないかと不安が募る。
「大丈夫か!?すぐ助けるからな!」
……僕は、大丈夫です……彼は……ぐっ!』
「おい!やめろ!」
ゴッと明らかに殴られる音が聞こえ、フリンズの声が途切れた。ファルカは何度も彼の名を呼んだが、電話はぶつりと切られてしまった。
「クソっ!」
悪態をついていると、スマホが再び震える。恐らくさっきの奴からのメールで指定する場所の名前だけが短く書かれていた。
「待ってろフリンズ……!」
ファルカはフリンズを助ける為に、誰にも何も告げずに家を出た。