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ぱら子
2026-01-13 10:45:37
26376文字
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愛があるが故に
【ルカキリ】現パロで催眠術掛けられる🕯の話がやりたかった
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4年前の春頃。お気に入りのアンティークショップで掘り出し物を探したが見つからず、帰ろうと店を出た時、外は大雨が降っていた。フリンズは朝の天気予報からちゃんと傘を持っていたので問題なかったのだが、アンティークショップのオーニング下にいた一人の男はそうではなかった。フリンズより背の高い男の金髪の毛先からは水滴が落ち、スーツも濡れている。サファイアのような瞳を細め、恨めしそうに空を見る男に何故か目を引かれた。
男もフリンズに気付き、お互い『どうも』と会釈した。
『傘をお持ちでないので?』
『あ〜、今日はたまたま天気予報見るの忘れてしまいまして
……
上司から呼び出しくらって行かなきゃならんのに、いや〜参った参った』
たはは
……
と困ったように笑って頭を掻く男の話に、フリンズはそういえばとバッグを漁る。急な雨に備えて常時一つ入れていた折りたたみ傘のことを思い出したのである。
黒の折りたたみ傘を手に取り、男に差し出す。
『宜しければどうぞ』
『え、いいのか?』
『僕はもう一本ありますし、上司の方をお待たせしたくはないのでしょう?』
男は逡巡した後、傘を受け取って開く。
『ありがとな!俺はファルカ、普通のサラリーマンだ。この傘と恩は今度会った時に必ず返す!またな!』
余程急いでいたのかそれだけ言ってファルカはフリンズの名前を聞くことなく去っていった。
ファルカに傘を貸してから数日後、欲しい本の為に遠出したフリンズは帰りの電車で痴漢にあった。偶然帰宅ラッシュの時間と被ってしまい、満員電車に乗っていたら背後に立つ男からお尻を触られる感覚にゾワッと震えた。元々後ろ姿だけなら女性に間違えられることはあったが、触ったら男だと分からないものだろうかと疑問に思った。
もうすぐ降りる駅に着くし、他の女性が被害に合うぐらいなら男の自分が代わりになっている方がいいと耐えていた時、触られていた感覚がパッとなくなる。
『おいっ何やってんだ!!痴漢だぞ!』
聞いたことがある声に振り返ってみるとファルカが痴漢男の手を掴みあげていた。
『ファルカ、さん?』
『この前の!?』
その瞬間、電車のドアが開いて痴漢男が逃げようとしたがファルカは逃がさずホームに引き摺り降ろして取り押さえる。そして懐から黒い手帳を取り出し、痴漢男の目の前で開く。
『刑事の目の前で痴漢なんて随分度胸があるんだな』
見せられた警察手帳を見て観念したのか大人しくなった痴漢男は騒ぎを聞きつけた駅員たちに連れられていった。フリンズもファルカ立ち会いのもと事情を聞かれ、終わった時には夜もだいぶ深まっていた。
『助けて頂きありがとうございました』
『いやいや、傘のお返しだと思ってくれ』
『そういえば、この前お会いした時は"普通のサラリーマンだ"と仰っていたと思いますが?』
『あ゙!そ、それはだな
……
刑事だってサラリーマンみたいなもんだろ
……
』
フリンズの指摘にファルカは顔を紅くしてバツが悪そうに頭を搔いた。その姿が何だか可愛く見えてフリンズは思わずクスッと笑ってしまった。
『なぁ、今日はもう遅いからアレだが今度また会わないか?傘を返したいんだ』
『傘くらい貴方にそのまま差し上げても構わないのですが』
『ダメだ。借りた物はちゃんと返したい』
『
……
分かりました。僕は基本在宅仕事ですので貴方のご都合に合わせますよ』
そう言うとファルカは安堵したような顔でスマホを取り出す。
『なら連絡先教えてくれないか?あと、名前も』
『あぁまだ名前を言っていませんでしたね。僕はキリル・チュードミロヴィッチ・フリンズです。翻訳業をしております。長いですから僕のことはフリンズとお呼びください』
『よろしくなフリンズ。改めて俺はファルカ、刑事だ』
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