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ぱら子
2026-01-13 10:45:37
26376文字
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愛があるが故に
【ルカキリ】現パロで催眠術掛けられる🕯の話がやりたかった
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誰もいない待合室でファルカは一人項垂れていた。時刻も深夜を回り、手術が始まってから3時間ほど経つが未だ何の知らせもない。
エウルアは署に戻ったのでここにはいない。刑事課長としてもファルカも署に行くか悩んだがエウルアから「貴方はここにいるべきよ」と言われ、彼女は颯爽と行ってしまった。
彼の血がついた両手を握り、目を閉じて神に祈る。
どうか、どうか、愛する彼を───
「こんばんは、ファルカ。君のそんな落ち込んだ姿を見るのは、何年振りかな?」
室内で空調はついてないのに爽やかなそよ風が吹いた気がして、顔を上げる。目の前には横髪を三つ編みにした少年が優しく微笑んでいた。
「バルバトス
……
」
驚くファルカにそう呼ばれた少年は困ったように眉を顰める。
「う〜ん
……
一応、公共の場では役職で呼んでもらわないとなんだけどな~」
「
……
ウェンティ、署長」
「うむ!よろしい」
ウェンティはニコッと明るい笑顔でファルカの隣に座った。彼は見た目少年のようだが、ファルカの所属する警察署の立派な署長である。ファルカが新米警察官だった頃からずっと署長を勤めており、年齢について様々な噂が囁かれているが本人は何処吹く風で大好きなお酒をガッパカッパと呑む飲兵衛でもあった。
「ジンから聞いたよ。奥さん撃たれて重症って」
「奥さんって、お前なぁ」
「おや?違うのかい?いつも君が自分で言ってたじゃないか。"俺のかわいい嫁さん"って」
「
…………
」
普段と変わらぬテンションで話すウェンティに対し、ファルカの表情はとても憔悴しきっていて傍から見るとまるでもうお通夜にいるんじゃないかと思うほど暗いものだった。
「今回は俺の責任だ。警察なんてやってりゃあ、誰かから恨まれたりすることぐらいあるって分かってたはずなのに
…
こんな体たらくだ
……
」
今思えば異変に気付くポイントなんてたくさんあったのに気付けなかった。何があっても護ると誓ったのに、実際は護られて怪我させて、署のエース刑事が情けないにもほどがある。
ファルカは大きなため息をついて目を伏せる。隣で彼の懺悔を静かに聞いていたウェンティはまた笑みを浮かべ、口を開いた。
「ねぇ、愛って不思議なものだと思わない?」
「は?」
「長く愛を知らなかった戦士が愛を知ってしまうと、それを失うことが怖くなって戦場で戦えなくなって弱くなってしまうことがある。でも逆に愛を知ったからこそ愛するものの為に奮起し、新たな強さを手に入れることもある」
君は愛する彼の為にどうなりたい?
小さな上司がそう問いかけた後、一人の医者がファルカの元へと走ってきた。
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