fedge
2026-03-10 20:20:19
53651文字
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ドラゴンテールへようこそ!

ナタ+αのCPなしオールキャラ。
竜とふれあいながら飲めるイベント「ドラゴンテール」を開催することになったナタの面々。お呼ばれした風神と付いてきたファルカも混ざって大宴会!

※普段カピオロ書いてる奴の文章です。ご了承願います


ちゃんと連絡してよね!

「わ~! 素敵なお部屋だね。用意してくれてありがとう、マーヴィカ」

 第十回『帰火聖夜の巡礼』の開催まであと二日。
 先んじてナタに到着したウェンティは、草臥の家のゲストルームに旅の荷物を運び入れていた。

「こちらこそ、遠路はるばるよく来てくれた。この部屋は君が滞在する間抑えているから、好きに使ってくれて構わない」
「宴会場と直結だなんて、ボクにとって最高の宿だね。そうだ、贈ったお酒は無事に届いた?」
「ああ。受け取って会場に運び込んである。蒲公英酒はナタではなかなか味わえないから、飲むのがとても楽しみだ」

 用意してもらった部屋は、本来であれば『帰火聖夜の巡礼』に出場する選手のための宿らしい。その中でも一番ランクの高い部屋を抑えたとのことだが、装飾品は華美すぎず、雰囲気のいい部屋だ。大きなベッドも設えられているので、気持ちよく酔ったらここでうんと体を伸ばして大の字で寝れば、いい夢が見られるだろう。

「そういえば、手紙には友人を一人連れてくるとあったが、その友人はどこに?」
「あー、ファルカは今ナド・クライにいるんだ。だから別ルートで来ることになってる。日付は伝えてあるから、今日中にはナタに来ると思うよ」

 その名を聞いたマーヴィカの目が、らんらんと輝いた。

「友とはファルカのことだったのか!」
「知り合いだったの?」
「ああ。彼がナタに立ち寄った折に訪ねてきた。その時に一緒に酒を飲んだが、彼はなかなかいける口だったな」

 意外な接点にウェンティも目を丸くするが、面識があったことよりも、あの酒豪を通り越して酒樽が服を着ているようなファルカを指して「なかなかいける口」と表現したことのほうが驚きだ。

「へぇ~、結構飲むって聞いてたけど、もしかしなくても、マーヴィカもめちゃくちゃお酒に強いんだね。宴会が楽しみだよ」
「倒れるまで飲んだのは、それこそファルカが来た時くらいだな。私も楽しみにしている」

 これは楽しめそうだなと談笑していると、客室のドアがノックされた。ノックの主は草臥の家の従業員で、客人が到着したとの報だった。炎神様の招待客だと言うので、ホールで一旦待たせながら、その確認に訪れたらしい。

「しかし、炎神様、お伺いしていたのはあとお一人とのことだったのですが」
「ああ。その筈だが」
「でもいらしたのは三人なのです。ファルカと名乗る大柄な男性と、機械のような出で立ちの女性、それと桃色の髪の少女です。ファミリータイプの部屋をご用意できれば良かったのですが、あいにく他の部屋はすべて埋まっておりまして……
……ひとまず、詳しい話を聞く必要がありそうだ。君は何か聞いているか?」
「いいや? ボクも何も聞いていないよ。も~、ファルカってば、いつのまに隠し子なんて作ったんだろう。ナド・クライでいい人でも見つけたのかなぁ?」

 そんなことは露ほども思っていないが、からかい甲斐のあるネタが転がり込んできた。面白そうなことが起きそうな気配に、ウェンティはにったりと目じりを歪ませた。


 * * *


 時を戻して数分前。
 開催を間近に控えた『ドラゴンテール』のため、チャスカは草臥の家を訪れていた。
 といっても、他の仕事のついでに、そろえた飲料の種類を確認しに来ただけだ。我らが『希望』がバーテンダーをするというのだから、不便のないように備えておいてやりたい。
 一通りの確認を終え、不足している材料をメモする。本番までには調達しておこう。
 用事も済んだし帰るか、としていると、昼時を過ぎて客もまばらな草臥の家に、ドアを勢いよく開ける音がバァンと大きく響いた。

「たのもー!」

 見覚えのない大柄な金髪の男性が、うきうきとした興奮を隠しきれない声と共に入ってくる。背に担いでいる二本の大剣が擦れる音が、彼の歩みに合わせてカチャカチャと鳴った。

「ど、どちらさまでしょうか?」

 精悍な顔つきの男にたじたじとする店員を庇うように、チャスカは間に割って入った。

「何者だ」

 凛とした鋭い目で見上げると、ようやく冷静さを取り戻したのか、少し慌てたようにその男が身を引いた。両の手のひらを挙げてこちらへ向け、敵意はないのだと首を振る。

「おっと、すまない。立派な酒場につい興奮しちまった。俺はファルカ。炎神様が『ドラゴンテール』に誘ったバル……ウェンティの友人だ。今日ここに来るようにと連絡を受けている」

 素性がわかりほっとした草臥の家の店員は、ああ、その件ですかと納得した様子でカウンターから出た。

「それであればお伺いしています。おひとり様ですね、お部屋にご案内を――
「待った。実は一人じゃなくてな。おーい、入ってきていいぞー」

 ファルカが店の外に向かって呼びかけると、ぴょこんと桃色の頭が覗き込んできた。そして、その隣には――見覚えのある人間、いや、ロボットが居た。

……イネファ?」
「はい。イネファです。お久しぶりです、チャスカさん」