Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
シノハラ
2025-11-05 00:17:44
76995文字
Public
無風
Clear cache
Export ePub
无风短編まとめ
全部全年齢です
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
キスの日
妖精フォーラムに潘靖が晒されていた。
どうやら今日はキスの日などと言われているらしく、それを紹介するスレッドに彼の妻に口づけを贈られている写真が載せられている。
そういえばいつかの飲み会のときに、強かに酔った彼女が夫を捕まえて抵抗する間もなく口づけていたような。
となると、画像の提供者はあの場に参加していた誰かかもしれない。
記事には潘靖に向けたメンションが数えるのも億劫なくらいついているが、特に潘靖が返事をしている様子はない。
気がついていないのか、無視を決め込むことにしたのか。
どちらにせよしばらく盛り上がるだろうな、と思いながら無限はぼんやりとフォーラムを眺める。
「キスの日」
ふっと上から声が振ってきて見上げると、風息が手元の端末を覗き込んで記事を読み上げていた。
ソファの後ろにいる彼が怪訝そうな表情を無限に寄せてくる。
「随分俗なものを読んでるんだな」
別に俗な記事の一つ読んだって構わないではないかと思わなくはないが、無限には別段この手の記事を読む趣味はない。
珍しくこの手のスレッドを見る原因になった写真を見せるために端末の画面に指を滑らせると、風息が画面を覗き込むために背を丸めて覗き込んでくる。
それから件の写真に気がついたらしく、ぶは、と派手に噴き出した。
「若水が教えてくれた」
「ああ、なるほど
……
」
いかにも好きそう、と笑いが引き切らない調子で口にして、すぐ消えそうだからスクリーンショットを撮っておこうなんて提案をしてくる。
もう誰かが撮っていそうだし、消えたとしても特に無限には支障がないが言われるままに残しておくことにした。
立場上、風息と潘靖はお世辞にも良い関係にあるとは言えないので、こういう騒動に巻き込まれる姿を見ると気分がいいのかもしれない。
別に不倫などの問題がある写真ではないし、彼の名誉が傷つくようなものでもないので良心が痛むこともなく楽しめるラインなのもちょうどいい。
腕を出してきて勝手に画面をスクロールしてコメントを読もうとしてくるので、風息の顔が近くに寄ってくる。
くすくすと笑いながらコメントを見ている風息の横顔を見ると、風息が目だけ動かして無限を見返した。
「何?」
「キスの日だから?」
口の端に唇を押し付けると、途端に静かになった風息が意図を訊ねてくる。
正直に言うとしたくなったから以外の動機がないのだが、一番初めの切っ掛けはそれになるだろう。
「そんなのを動機にしないとできないくらいに冷めた関係だったか?」
「まさか。もう一回していい?」
「いいけど、ちょっと待って」
この姿勢はさすがに辛い、と告げてから風息がソファの正面に回ってくる間に端末を脇に避ける。
二人掛けのソファの真ん中を陣取っていたので脇に退こうとしたところで、風息が無限の動きを制した。
どうするのかと思ったが、そのまま無限にまたがって太腿に腰を下してくるので面食らってしまう。
「
……
キスだけではすまないかも」
ぺたんと風息の股が太腿に当たる感触に簡単に煽られてしまって、無限は早々に降参することにした。
それ以上の行為を求めていないのであれば、これで風息は引いてくれるだろう。
それでも脚にかかる重さが変わらないのであれば、彼も乗り気ということである。
無限とそう身長が変わらないせいで自分よりも高い場所にある風息の唇と合わせるために、風息が無限の顎を掬い上げる。
それから風息が背中を丸めて、緩く開かれた唇を押し付けてくるのに合わせて、無限は風息の腰に腕を回した。
お互いの唇の柔らかさを味わいながら呼吸だけを交換しているうちに、お互いの体温が上がってくるのが分かる。
無限が首を傾けて口を大きく開き、唇を擦り合わせながら食むと、風息が背中を跳ねさせたのが指先に伝わった。
その震えを追って指を腰から上に向かって滑らせて行けば、ん、と風息が睫毛を震わせて声を上げる。
無限の顎に触れていた手はいつの間にか身を支えるために無限の肩に移っていた。
「
……
いいよ」
けしかけてきたのは間違いなく風息だが、あくまでも無限が求めてきている体にしたいらしい。
そういう形式に拘る風息をいじらしく感じながら、無限は風息の身体を強く引き寄せる。
それから二人の唇が痺れてしまうまで深く口づけるために、背を伸ばして風息の唇に自らのそれを近づけた。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内