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溶けかけ。
2025-04-12 15:55:13
27453文字
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花雨
なみセレ開催おめでとうございます!
エピローグまで更新終わりました。
みなさま、ご精読ありがとうございました!
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星の花(勿忘草)
香りのない、星の形をした五枚の花弁を持つ花が夢幻の風に揺れる。
「やあ、ヌヴィレット」
青い花を胸に抱いたその人──フォカロルスはヌヴィレットの姿を認めると静かに微笑んだ。
「これは
……
夢か
……
」
ヌヴィレットは自身の眉間の皺を解しながら自嘲する。罪悪感が見せる幻の彼女は時折、夢の中に現れてはこうして言葉を紡ぎ、少女のように歌い、踊る。
「今日は月が綺麗だね」
フォカロルスが上を向き、釣られてヌヴィレットも上を向けば、青白い満月が雲の隙間からその顔を覗かせていた。先ほどまで、空すら存在しなかった虚空に空のテクスチャが貼られていた。
「テイワットの星空は偽物というけれど、贋作であっても、それしか知らない者の前ではそれこそが本物なのだろうね」
フォカロルスが満月を見つめる瞳が曇る。憂い、とでも表現すればいいのだろうか。神らしい姿しか知らないヌヴィレットにとって、彼女の表情は随分と人間らしく見えた。
「まるで、実験動物のようだと思わないかい?」
フォカロルスが嗤う。
「テイワットという箱庭の中で人々は天理に監視されて生きている
……
フフッ
……
知らぬが花、とはよく言ったものだ。
……
ああ
……
けれど、キミは知っていながら、役者になったんだったね」
さわさわと風が青い花園の中を通り過ぎていった。
「フリーナのこと、よろしくね」
フォカロルスの言葉を合図に抗い難いほどの眠気がヌヴィレットを襲う。瞳を閉じる寸前に見えた彼女はどこか寂しそうな笑みを浮かべていた。
「
……
私が忘れるとでも思っているのかね?」
ヌヴィレットが窓辺に生けられた花瓶に視線を向ければ青い星の花が開け放した窓から入る春風に揺れていた。
勿忘草の花言葉 「私を忘れないで」
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