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戌丸アット
2022-05-29 23:07:22
37730文字
Public
戦国basara
狐七化け、狸八化け
三家(戦国basara)
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あとは真っ直ぐ行った先を左に曲がれば、台所へと到着すると言う所で突然、九尾が足を止めて驚愕の顔を浮かべたかと思うと脱兎の如く走り出し、右に曲がった
家康は突然、走り出した事にも驚いたが右に曲がった事で大いに慌てた
何故なら右に曲がると、元西軍である長曾我部や大谷たちが使う予定になっている部屋がある筈だからである
「待て!待つんだ、九尾!そっちに行ってはいけない!」
「煩い!微弱だったあの男の気配が一瞬だが大きくなった!急がなくてはならない!」
九尾の足の速さに更に慌てて走るが、動きやすい武装の恰好ではない上に家康は決して足が速い方ではない
どんどん開いて行く距離に家康は全速力で追いかけ始めていると、騒ぎに気付き廊下に刑部こと大谷が九尾の前に現れていた
その事実に家康は一瞬、青ざめたが九尾を止める事を優先して大谷に向かって叫ぶ
「やれ、騒がしいと思えば徳川、随分と愉快な者を連れているな」
「刑部!!!と、止めてくれ!そいつを止めてくれぇえ!!!」
「邪魔だ!!!そこをどけ!!!退かねば例えその体が病に蝕われていようと斬る!」
「ヒヒッ!怖いコワイ、しかし見ただけで病と見抜くとは
…
まっこと不思議な奴よなぁ」
「ふん、私の目は真を見抜く、貴様の気を見れば嫌でも病と分かる」
大谷は家康の言葉に答える事はなく、ただ廊下の真ん中に杖で体を支えながら立ち、九尾に話しかける
真ん中に立っているだけで横を通れば通り過ぎる事ができたが、九尾は素直に立ち止まる
すると話しかけられて少し落ち着いたのか、険しい表情ではあるものの九尾は素直に答えた
その姿に安心しつつ家康は、息を切らして大谷の元へ駆け寄ると大谷の安否を慌てて確認する
「っふぅー!すまん、刑部!大丈夫か?」
「おい、遅いぞ東照!あの男が居ると言うのに逃がしたらどうしてくれる!」
「ホウ
…
随分と懐かれたものだな、徳川、してこの男はなんだ?迷惑料として話やれ」
「あぁ、お前には隠すよりも明かした方が良いだろう、彼は神聖な狐で今は人を探しているらしいんだが怪我が酷くてな、今夜はワシがその身を預かっているんだ」
文句を言う九尾を見て、家康が九尾を屋敷に招き入れた事を瞬時に理解した大谷は、この不思議な観察眼を持つ九尾について家康に迷 惑料だと尋ねる
迷惑料と言われ、耳が痛いと思いつつも家康は妖怪や物の怪といった類に詳しそうな大谷には多少明かしておこうと気持ちを切り替えて簡略的に伝えた
狐と聞いた大谷は一瞬、驚いたように目を開いたが興味深そうに九尾を見つつ、楽しそうに尋ねる
「ヒヒッ!それは中々奇妙な拾い物をしたものだ
…
して狐よ、その気配とは何処からする」
「ちょっ!?刑部!何を言ってるんだ!彼はまだ戦うべきじゃないんだぞ!」
家康は大谷の言葉に大いに慌てた
もし自分が九尾を止められず、追いかけている男と鉢合わせして戦うような事になれば九尾の傷は開いてしまい、傷の治りが遅くなる
しかも急所を外れていても傷の数は全身にあった事から考えると内臓の負担もかなりのものである
そんな状態で激しい戦闘をすれば命の危険が出てくるのは明白である
しかし九尾は気にすることなく、大谷の質問に答える
「気配はこの先の方から確かに感じた、奴め、すぐに気配を消そうとしているが傷で安定していないから丸分かりだ」
「
………
ほう、そうか、ならば行ってみれば良い、何か見つかるやもしれぬぞ?徳川、迷わぬように付いて行け」
「はぁ
…
そうするよ、刑部、騒いですまなかったな」
「ヌシから詫びを言われるとはなぁ、まぁ良い
…
さっさと行け、イケ」
全く止める気のない大谷と全く止まる気のない九尾を見て、もう自分で彼を止めるしかない事を感じた家康は諦めて戦う事だけでも避けようと心に決めつつ、申し訳適度の詫びと返事をする
その決意に感づいているのか、いないのか、大谷はもう用はないと二人を追い払うように手を払う仕草をする
特にその仕草に反応せず、それよりもたいした嫌味を言わずに見送る大谷に家康は内心、不思議さを感じつつも九尾が急かすように進むのでその場を後にした
しかし九尾も家康も気付いてはいなかった
二人の姿が見えなくなるまで大谷が見定めるように見送っていた事を
「この結果が三成にとって不幸になるかどうかはヌシにかかっているぞ、徳川
…
せいぜい足掻けやアガケ」
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