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戌丸アット
2022-05-29 23:07:22
37730文字
Public
戦国basara
狐七化け、狸八化け
三家(戦国basara)
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「あー
…
三成様、そのぉ」
「なんだ、言いたい事があるなら早く言え」
「は、はいぃい!!!あ、あの!俺も飲んで良いっすか!?」
「ふん、そんな事か
…
好きにしろ」
「ありがとうございます!あ、お猪口が空ですよ、はい!」
珍しく酒を素直に嗜む三成に左近は問う事はせず、ただ三成のお猪口が空けば酒を注ぎ、隣で一緒に酒を飲むだけであった
そんな左近に三成も異を唱える事はなく、好きにさせていた
何処か穏やかな時に三成は、自分が酒を飲む事を拒否しなかったのも家康の裏切りに思い耽るのも嫌いな雨の為であろうと思った
でなければ三成は自身の心に生まれていた寂しさに近い感情など覚えないと思ったのだ
そしてその感情に戸惑っていると庭の林がガサッと動いたかと思うとドサリと重い物が倒れる音がした
「ん?なんすかね
…
俺、念の為に見てきます」
「
……………
いや、私も行く、武器は持っておけ」
「はい!」
不穏な音に左近は睨みを効かせながら立ち上がるのを見ながら、三成は何故か心のざわめきを感じて愛刀を手にし、左近が傘をさして音の元へと足を進める
そして林の方まで行くと、そこには木に背を預け血だらけで体中に見える斬撃の後から血を流す黒髪の青年がいた
そのあまりの惨状に左近は慌てて三成に傘を渡すと青年に近寄り、生存確認をする
三成はといえば部下の無礼な態度を叱る事はせず、ただ二人を見つめる
「三成様!息があります!」
「それがどうした」
「え
…
」
「音の正体がこの男だと分かっただけだ、適当な使いに伝えておけば良いだろう」
「そんな!三成様、コイツ早く手当てしないとマズイですよ!急所はほぼ外れてるけど一線一線の傷が深いっす!出血もこれ以上は!」
「ならば左近、貴様が助けろ、私がコイツを助ける義理はない」
「っ、分かりました!三成様、部屋を少しの間だけお借りしますよ!」
「好きにしろ」
助ける気はないと言った三成だったが一番近い部屋である三成が使っている部屋に左近が青年を入れると騒ぐ為、三成は部屋と戻ると障子を大きく開いた後は左近が広げたつまみや酒を部屋の片隅へと移動させる
左近が濡れながら青年を縁側へ連れてくると、三成は左近へ布と備え付けの救急箱を渡す
「あ、ありがとうございます!」
「手当てはお前がしろ、その男を拾ったのはお前だ」
「はい、分かってますよ!」
拭き終えた左近は慌ただしく部屋へと戻ると着替えの着物を出し、青年の顔や体を拭いてやると上半身から手当てをしていき全てを応急処置し終えると手早く着物を着せてやる
その間、三成は一部始終を見守っていたが手当てが終わる頃には布団を出していた
「すんません!布団出してくれたんですね!」
「礼は良いからさっさと布団に移動させろ、邪魔だ」
「あ、そういうことですか
…
はいはい!動かしますよー!」
「いや、その必要はないよ」
「え?」
突然の第三者の声に左近は驚き、声のした方向を見ると青年が微笑みながら座り込んでいた
いつの間にか目を覚ましていたらしい青年は先程までの惨状がまるでかすり傷のように思わせる程、穏やかで凛とした雰囲気を感じて三成はフッと家康の事を思い出したが、すぐに眉間に皺を寄せて排除する
そんな三成の様子に気付くことはなく左近は青年の言葉にしかめっ面を浮かべる
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