影喰い
2024-10-09 22:39:55
20307文字
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零れ話

TLの練習まとめ。
時間軸バラバラ。カプじゃないものもあります。


【蛇の宴】
・本編軸一章剣陣営。
・きみどりさんの「柄を取られた」の話の試し書き。


地面にいた蛇が急に飛び上がって、刀の柄を噛みつきそう——生物としてあまりにも怪奇な挙動で、儀に身を置かれる今ではそれに敵の悪意を瞬時に考え方を切り替える。
己の武器を盗られないため、伊織も手を同じ刀に取る。

(まだ間に合う)

鯉口を切って、刀を抜く。その勢いで逆手で蛇の口に斬りかかる。
そんな流れを想定した瞬間、真っ赤な色彩が飛び散る。

「何を考えている」

叱るような口調で、白妙の剣士はその切っ先を蛇の死骸を指す。それは未だに激しくくねっている。

「蛇を斬る、としか」
「問題はそのやり方!あれは魔力が帯びるぞ。ここまで云うならもう解ってるな」

つまりサーヴァント、もしくはマスターの遣いか。確かに魔術に疎い自分ではその手を対応しづらい。

……そうか、迂闊だった」
「解ればよし。返り血まで毒があるのは知らないが」

一つの溜息後、地面に、木々の隙間に、後ろの影に大勢の蛇が二人を囲まれている。

「良かったな、今回は斬り放題だ」
「良い知らせとは思わないが」

最初の一匹はただの斥候らしい。今、現れた個体が殆ど人の腕……否、人の胴体程の太さに至る。
今夜もあの最初の夜とように、長く続けるだろう。