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影喰い
2024-10-09 22:39:55
20307文字
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零れ話
TLの練習まとめ。
時間軸バラバラ。カプじゃないものもあります。
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【かぼちゃとその結末】
・カルデア軸伊剣。
・前ページの続き。マスターとキッチンの赤い人出ます。
「で、そちらはどうだった」
「本人を聞けば早いと思うぜ」
「そちらは取り込み中らしい
……
」
この時間の食堂は二人の姿でも見当たらない、それを聞きながら式が周辺の席を見渡した。カルデアでは昼や夜は一応決められた時間で食事を提供するか、サーヴァントの身では必ずそれを摂取しなければならない。
彼らはちょっと違う原因で普段はみんなと一緒に食事をする場合が多い、と立香からの理由だった。
わかっても他人事まで深く踏み込むつもりもない式はただ肩を竦めて、
「まあ、他に物好きのやつがいるから順調じゃないか?」
レシピがいるものが教えやすいと思って、式が事前キッチン組のメンバーから比較的に成功率高いデザートを選んだ。と、そのレシピを書いた張本人も勝手にタケルに教えて来た。
「おまえ一人でもやれると思ったが」
「口約束を知ってた前提でサポートを徹するだけだ」
「過剰な手助けは不要だ」
米を炊くとは違って、しっかり温度や用量を守るべきデザートがより一層の注意を払う。その点について彼の方こそ適任とも言える。
「材料はもう整えたな。では始めようか」
袖を捲ったタケルも十分気合いが入れるのようだ。旬の野菜を下処理を済んだ後、他の食材と混ぜ合わせて一定な温度で加熱する。
指示を聞き入る姿勢から流石に教え甲斐があって、赤い服のサポート係もこっそり予め作ったクッキーをお裾分けていた。
「これで完成だ。好きに飾っていいぞ」
何処かでチョコペンや食べる飾りを持ち出したのエミヤに対して、タケルが予想に反して首を横に振った。
「む
……
いや、多分見た目に拘らないだろう。このままでよし、と」
「なら仕方がない。レシピ通りの味は私が保証できる」
「これでオレの仕事が終わった。健闘に祈る」
「うむ、今度こそ
……
!ありがとう、シキ、エミヤ!」
出来上がったものを載せたトレイにて、うち二つのカップはタケルに連れ出された。その余った分は最後、子供たちの胃袋に落ちていた。
「オレが知ったのはこれくらいだな」
「うーん、先にアドバイスもするんだけと一応大丈夫かな」
「おまえはどんだけお人よしか」
「まあな」
「イオリー!覚悟しろよ!」
「食べ物でこんなせりふをするのか」
少し間を置いて、長屋に模した部屋で。一つのカップを伊織の手に突っ込まれて、ひんやりの感覚が彼の視線を導かれている。シンプルて黄色のプリンが器の中であった。
「さあ、食べてみよう」
そう宣言したタケルが今回スプーンを渡した。勢いよくの行動で数度目を瞬きをした伊織が一口のプリンを掬って、口に放り込む。
「ん?これは
……
」
「ふふん、ふつうなプリンじゃないぞ!これぞ旬のかぼちゃプリンだ!」
あの大きな実と彷彿させる、橙色の瞳が自信を満ちて輝いている。
「なるほど、仄かな甘みがそこからか。食堂からかぼちゃの煮込むを一度食べてみたが、まさか甘味も運用できるとは」
「そうだろうそうだろう!まだ試食しそびれていたが、レシピ通りを作ったものだから間違いないだ!」
そうか、と言いつつプリンを口に運ぶ伊織は、底にいたキャラメルがなくなるまで他の言葉を一切に出せず。前のトラウマとほぼ同じパターンだ。
「せっかく良い出来栄えだ、おまえは食べないのか」
「うぐっ」
味はキッチンの彼らにお墨付きだ、が。それを彼に言の葉によって出さないと意味がない。
彼から自然に言い出したいと、今回もうまくできず。それでも的確な言葉にして聞きたい。
「味は、どうだった」
「そうだな
……
」
何かを思い込んだ伊織はこう言ってた。
「息抜きで甘味など、そんな贅沢なこと生前殆ど経験してはいない。当然西洋の菓子にも疎い」
空いたカップを視線に移ると、穏やかな声が続いた。
「味にも拘りもない俺にこれを作ったのは知ってた。今更何も何も云わずにいたのは、流石に野暮過ぎる」
美味しいよ。
目を見開く程の返事が、確と彼から受け取った。満更でもない気分が拡がっていた。それをごまかすため、もう一つのスプーンを握った手がここで自分のプリンに刺さった。
「ま、まあ私が作った甘味だから不味くわけないだろう。有難く味わえ」
「それもそうだ。頑張ったな」
もうちょっとプリンを部屋に持っていれば良かった。甘みと嬉しさに舞い上がる頭でふとそんな感想を浮き上がって、タケルが旬の美味しさを噛み締める。
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