影喰い
2024-10-09 22:39:55
20307文字
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零れ話

TLの練習まとめ。
時間軸バラバラ。カプじゃないものもあります。


【春の熱度】
・本編軸伊剣。剣は男性です。
・幻想霊衣着エロ。続き予定。


それが突然の出来事だが、
「魔力を寄越せ」
と、煎餅布団を整える最中急にセイバーから言い出した。マスターとしての知識が乏しいとも言える伊織がどう反応すらわからない。
否、それだけなら平常心にいられる。問題は、今の伊織がもう布団の上に押し倒してから言葉を聞いたこと。

「話が見えないが」
「ここ数日の感想だ。私とて、もうこんな時に云うことの寛大さで感謝しろ」
「だから由を」
「呆れた。きみ、私は亡者をしっているだろう」
「ああ」
「私に現世を留まるには魔力が必要だ。それが契約をしたきみから提供すべき」
「そうか」
「そして、戦いになってから技を使ればより多く魔力が消耗する。ここまでは解るか」
セイバーから一向に退ける気がない。この体勢はまるで、

……魔力は、そんなやり方で、渡せるのか」
「ようやく気付いたか?まあ、少し紅玉から聞いたことでこれが最も効率がいい方法だ」
これが夕餉のおかわりのような態度で、どうしても理屈がおかしい。

「なんだ、まだ気に食わぬのか。むしろ喜べするべきことだぞ?」
セイバーはより近づいてくる。悪戯を彷彿される口調で、
「きみは五体満足でいられるとは」
彼の正体はまだ知らない伊織でも、それがただのからかうではないと知った。本気で「マスターではないならもう殺された」の悪寒が身体中に走る。

……解った。それは生き残るために必要、だったのことなら」
「うむ。話が解るならよしとしよう」
セイバーは満足気に頷くと、光の粒子が一瞬、彼の周りに漂う。白妙の衣が華麗とも言える古代の衣装に変わった。所々飾りを付けたそれに、伊織から彼がより華奢の見た目にする意図を捉えている。
「これは」
「やり易いから着替えた。男ならこういうの好きだろう」
「なっ」
そんなつもりがない。確かにセイバーの剣技に目を奪われたが、これはそれとまったく違って、

「備えあれば、というきみの言の葉に気に入ってから」
……
真っ当な感想を出でも気まずい。それを諦めて今からすることを認識したセイバーが伊織の手を取れ、細い体に撫で回る。と、途中で伊織があることを気づく。
「待てセイバー、貴殿は」
……ああ、云ってなかったか。付いているぞ」