影喰い
2024-10-09 22:39:55
20307文字
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零れ話

TLの練習まとめ。
時間軸バラバラ。カプじゃないものもあります。


【カフェテリアと前払い】
・カルデア軸伊剣と式さん。
・ハロウィン前の話。


「言いたいことがあるなら言え」
「解るか」
「むしろわからないやつがいないだろう」

特異点の時代によって、懐かしいと思えるサーヴァントも、新しいと思えるサーヴァントもいる。今、彼らに座っていたいわゆるショッピングモールはちょうど、両方の感想を含めた範囲である。
害はない微小特異点がみんなの休憩スペースを兼ねたのはカルデアの常だが、同じテーブルにいたメンバーは少し、いや、一見で地域以外かなり繋がりはない者。
たまたまアイスの単語に興味を持って、こちらにレイシフトをして、そしてたまたま、ほぼ満員の席に探している途中に出くわした。ただそれだけの話。
付き加えると、この二人から自分のアイスまで一緒に買うこと。一人で散策のつもりだが、そちらの行動力も高い。仕方なくうちの一人の話し相手にする。

「いーや。解らないトウヘンボクがいた」
「で、どうやりたい」
割と気合いで時代と場所を合わせて洋服をまとった彼に問う。
うぐっ、と何か潰れたような声をした彼がぽつぽつと呟いた。
「キッチンの者にきみが、甘味の作りがとても上手いと」
「暇潰し程度しか作れないぞ」
「教えるだけて十分だ。その、ハロウィンに備えて」
これで合点があった。式の視線が人の往来を越え、列に並べる青年のいる所に止まった。そちらにも観念して黒い洋服を着替えた。

聞いてみればさほど難しくことじゃない。味の感想に「食えるぞ」を言ってた記録があるの、そこの唐変木にリベンジしたい。食べ物に関わる日にて成果を見せたい。
……試しにアイツの顔で同じセリフを想像してみた。不意に眉間に皺を寄せるのもおかしくない状況だ。
「いいぜ」
「本当か!」
「言っておくがオレは人を教えるのは向いてないぜ。それと、そんなやつに美味い、などの感想を吐かせたいなら覚悟がいるぜ」
「構わん。物は試しと云うやつだぞ!待っていろイオリ~!」
これが手強い相手らしい、と心の中で何気なく思いついた。


長い行列を終わって、両手に三人分以上のアイスで余裕がない。予想以上に時間を掛かったが、遠くにいるの二人が楽しく話しているのようで、ほっとした伊織は和洋折衷の装いの少女と彼がいた席に戻ることになった。
「すまない、長く待たせた。セイバーはきゃらめる、両儀殿はすとろべりーでいいか」
「殿はいい。それより、お代はもう払ったぜ」
「?何の話だ」
式から何も答えない。隣にいたタケルはうんうんと頷く。二人とも明かさない話であれば深く踏まらない方が良さそう。
「なあ、イオリのあれはなんだ?」
「みんと、と云う味だ」
「涼しい味と聞いたな。ひとくちを」
「そう云うと思った、半分こにしよう」
黙々とアイスを食べる式は会話を参加する気がない、ただ俯瞰のように、二人の方向へ視線に置く。

「邪魔をしたのか」
「ん?ああ、オレのことを気にするな」
……そうか」
視線を気づくと余程気まずくなった。と、その時もう二種類のアイスを半分ずつ平らげたタケルが急に立ち上がった。
「解ったぞ、これはあれだな!クチドメリョウだ!」
「いや、それは」
「悪くない理由だ。じゃそれで」
「うむうむ。イオリ、頼むぞ」
と、変な共通の認識があった二人がアイスの器を揚げた。

「「おかわり」」


二度と席を外した頃、少女の声がこう言う。
来年の前払いでもするか、と。
それは何の意味を示すのか、今の伊織がまだ分からない。