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ツキシキ
2023-07-02 00:29:32
72006文字
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★刀剣乱舞・刀剣乱夢まとめ
7作品9振り。愛憎夢(刀さに)、死ネタ、ホラーなど。
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夜戦の今剣
夜戦時の今剣。視点は今剣と戦ったことのある誰か。モブ視点でも演練相手視点でも夢視点でもお好きにどうぞ。
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宵闇の中であってもその瞳はよくよく目立つ。平時であっても差し迫る印象のかの瞳は、例えるならば蛇のそれである。夜陰を薄くさしひらく上弦の月、幽かなあかりを目に留めながら、彼は忙しなく首を動かす。
音もなくにじり寄る数多の殺意を彼は確かに見張っている。呼吸は弾んでいる。唇は弧を描く。児戯に夢中の子どもと言える。
私は彼のその無邪気さを、身をもって知っている。
ぎょろと光る眼はまるで鮮血、一瞬にして目を奪われるも、瞬きすればそこにはいない。どこへと見回しかけた身体が、一呼吸遅れて妙な軋みを感じ、初めて、懐に飛び込んだそれに気づく。だが気づいた時には影すらない。真の意味での鮮血が自身から飛び散るのを無様に眺めやる他ないのである。
「すみません、つい、ほんきになってしまいました!」
申し訳なさそうな口調で、しかし、添えられた照れ笑いはどこまでも無邪気だった。
強きものの余裕というならばわかる。所詮は手合わせと気を抜いていたのならばわかる。
けれども対峙した私は知っている。彼の刃は正しい意味で研ぎ澄まされ、私の全てを殺ぎ落さんと振るわれた。この身がこの身でなければ容赦なく折れていたほどに。
そうであるのに、今剣のその態度に、命のやりとりや己が剣の心意気などというものは一切なかった。私が叩きつけた全霊も、あらゆる敵の殺意も、彼にとっては遊び事の鬼役としてしか解されないらしかった。
だから私は瞳を閉じる。
蛇の眼を持つ小さな子どもの声を待つ。
「
……
みーっつけた!」
そして彼に遊ばれ、誇りも覚悟も戯れ事の元に切り捨てられるであろう、敵兵の無念を思った。
<終>
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