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太公望と普賢
トリミング 望普編9
twitterなどに掲載していた極短編のまとめです。望普、伏普、原作軸、現パロなどいろいろ。
「普賢真人、実は崑崙十二仙になりました!」
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【朝寝坊】お題アンケート/余裕なんてない
はっきりした目覚めだった。
重い緞帳が開いていくような、荷車の車輪が動き出すような、クリアな感覚を体全体で受け止めて伸びをする。深呼吸をすれば、つめたく甘い空気が頭の中のもやもやしたものを洗い流した。視界はまだかすんでいたが、そのむこうに晴れやかな空が広がっているであろうあかるい青。おそらく遅い午後だ。そんなに長い間眠っていただろうか。
いくどか瞬きをくりかえしてから、ぼんやりした目であたりを見渡した。この世の音がすべて夜に溶けてしまったみたいに静かだった。手を持ち上げて、もう一度おろす。敷布の上のわずかな身じろぎの音を聞いていたくて、無意味に手を持ち上げたりおろしたりした。
「お目覚めか」
ささやくようなそれが、だれの声かすぐにわかった。ぼんやりした視界がじょじょにくっきりと像を結んでいく。
「神様はずいぶん朝寝坊だのう。もうとっくに日が高いぞ」
歌でも口ずさむみたいに、彼は言った。片膝だけ立ててまぶしそうに笑ってこちらを見ている。呼びかけようとしてやめたのは、音にすればたちまち霧散してしまうのがこわかったからだった。聞いたものの中にしか音は残らない
——
だから何年も、何百年も、声に出すのをためらってきた。いまこの瞬間でさえ、目の前で愉快そうに見下ろしている人が夢や幻ではないことをたしかめずにはいられない。きみを待ってなんていなかったと、うそぶく余裕などなかった。
手を伸ばした。こんどはちゃんと意思をもって、袖口に、手の甲に、指先に、雨粒を落とすように触れる。くすぐったそうにいったん彼の手が引っ込んで、それから手のひらごとぎゅうと握り合わされた。体温も、指の形も、こうしてつなぎたがる癖も、何もかもを思い出してから、ずっとあたため続けた彼の名を呼んだ。
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