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太公望と普賢
トリミング 望普編9
twitterなどに掲載していた極短編のまとめです。望普、伏普、原作軸、現パロなどいろいろ。
「普賢真人、実は崑崙十二仙になりました!」
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【ヘンゼルとグレーテル】文字書きワードパレットより/お菓子 帰れない 道しるべ
普賢のポケットにはいつも、なにかしら甘いものが入っていて、ときどき取り出してはうれしそうに差し出した。たいていは干したぶどうか杏、ときにはだれかにもらった飴やお菓子のこともあった。たまの息抜きに、口に入れる甘味は格別で、すこしは疲れも癒えるとしみじみ思うほどには修行は厳しく、やがて太公望も(今日はなんだろう)と楽しみにするようになった。普賢もそれを知っていて、師のお説教が長引きそうなときなどには、目を盗んでこっそり口に放り込む。
脳細胞の活動には糖分が必須で、それを適宜摂取することで修行に耐えうる体力や集中力、何事にも動じない安定した精神力を効率よく身につけられるのだと、もっともらしくのたまう。つまるところ、いくら優等生で努力家の普賢でも、そういうささやかな楽しみでもないとやっていられないということだろう。
「望ちゃんは燃費が悪いから」
普賢はすまして答えた。差し出されたそれはいかにもうまそうで、いつ用意したのか、そんな暇があったのか、などという疑問ごと飲み込んでしまう。
「迷子で帰れなくなっても、一個ずつ落として目印にできるし、案外役に立つかもしれないでしょ」
「鳥に食われてしまいそうだのう
……
」
道しるべとして役立つかどうかはともかく、とりあえず腹が減って動けないということはなくなった。さて、これからが本番、
「ごめん、望ちゃん」
意識が遠のく。視界が歪む。どこからが伏線だったのか、それとも
(こんなところで、)
「
……
甘いものは、何事にも動じないための、」
太公望は力をふり絞り、重い体をぎりぎりと起こした。
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