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太公望と普賢
トリミング 望普編9
twitterなどに掲載していた極短編のまとめです。望普、伏普、原作軸、現パロなどいろいろ。
「普賢真人、実は崑崙十二仙になりました!」
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【約束】
彼らのために「楽園」を設えたつもりだった。
風はおだやかで一年を通じてさまざまな花が咲く。陽ざしがふりそそぎ時に降る雨の向こうにはうつくしい虹がかかる。木々は鳥の巣のために枝を広げ、うっとりする歌声を響かせる。争いは起こらず、だれもが互いを尊重しあい、笑顔がたえない、そんな世界が彼らにはふさわしい。こういう場所でなら、新しい世界の「神」として、地上の人々を静かに見守ることに、きっと満足してくれるにちがいない。一度は手放した魂にも、ここに来れば逢えるのだ。そう思っていたのだけれど。
絵に描いたような楽園に、彼の姿を見つけることはなく、聞けば「菩薩」として地上に降り、ときには身の危険すら感じるほどの場所にわざわざ出向いて、人を助けているという。
不満を滲ませつつ、こっそり様子を見に行った。
戦乱に、飢えに、あらゆる不運や不幸に見舞われた人々に、それと知られないよう寄り添っている彼の姿に、かけようとした声を飲み込んだ。
かつて「死ぬべきではない」と感じたのは、こういうことのためではなかったか。衒わずためらわず差し伸べる彼の手が、この世には必要だと。
(大丈夫だよ、望ちゃん)
ふとかすかな声が風に紛れた。
(僕らはいつでも逢えるさ。約束するよ)
まったく。そんな約束も、いったい何度したことやら。そう言うのであれば、たまにそちらからやって来てくれればいいのに。
(わしが探してばかりなのは癪だからのう)
苦笑まじりに答えると、すぐそばの桃の蕾がほろりとほころんだ。
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