【#深淵覗きの断章】But It Is Not This Day

アレフ=レーシュ編、最終作。
夢を介して、『捨てられた地の大精霊の記憶』を見たガーベラとネモフィラ。
目覚めた彼らに、空の王国と星の子どもたちの運命を揺るがす試練が待ち受ける。

⚠原作の諸要素に対する独自解釈・捏造・オリジナル設定あり⚠
※戦闘・流血描写を含みます。

Fanmade by チーバオ(QiBao)
#sky創作 #sky二次創作


 赤い三日月の下、夕闇の砂漠。
 何もかもに絶望し、何もかもに敵意を向けて。光と闇の生物や兵士の屍の山を幾つも築き、怪物めいて暴れ狂う、巨躯の勇者がいた。

 慈悲を乞う部下達の悲鳴や断末魔すら、血みどろの勇者には届かない。
 だが、細身の賢者が、光の大剣を構えて勇者を阻んだ。

「ツァディ、もうやめて! あなたが守るべきものを思い出して!!!」
「国や民の為に、神を目指す陛下の為に知恵と力を尽くし、結局全てが壊れようとしている。愚かな罪人の私に、今更何を守れと言うのだ!」
 壊れたように哄笑し、やがて慟哭する勇者に、賢者は優しく寄り添った。

「守るべき希望は、まだこの国に残っているでしょう? わたくしの書庫も、あなたやわたくしを信じる民も。そして何より、未だ運命に抗い続けているアレフも、あなたの守護を必要としている」
「ラメド殿……
「それに、わたくしも愚かな罪人です。だからあなたと共に罪を背負い、歩ませて欲しいの。昏く長い、贖罪の道を」