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チーバオ(QiBao)
2024-01-08 02:03:10
21800文字
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Sky二次創作『深淵覗きの断章』
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【#深淵覗きの断章】But It Is Not This Day
アレフ=レーシュ編、最終作。
夢を介して、『捨てられた地の大精霊の記憶』を見たガーベラとネモフィラ。
目覚めた彼らに、空の王国と星の子どもたちの運命を揺るがす試練が待ち受ける。
⚠原作の諸要素に対する独自解釈・捏造・オリジナル設定あり⚠
※戦闘・流血描写を含みます。
Fanmade by チーバオ(QiBao)
#sky創作 #sky二次創作
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「「おいおいおい! めちゃくちゃレアな事が起きてんじゃん?!」」
驚き興奮する双子の大精霊たちに「何が『レア』なんだ?」とネモフィラは首を傾げる。
「アレフの影そのものがあのように現れる事など、これまで起きた事がなかったからじゃ」
かつての王の影に杖を構え、光の鳥の群れを引き寄せながら、孤島の大精霊が返答した。
更に雨林の大精霊が補足する。
「陛下の影は、『残り火』の子の『内側』に巣食う。肉体を掌握すると、その子の姿を闇に染めるか、陛下と瓜二つの怪物に歪ませる。だが、今はこうして『外側』に出てきている
……
恐らくは獣の子によってな」
雨林の大精霊は獣のガーベラに目配せを送り、かの子は頷いて応じた。
ガーベラは王の影に問いかける。
「キミは、私の力で『引きずり出された』。そして、キミの後継になれない私の役目は『キミと、キミがばら蒔いた呪いを断ち斬る』こと。そうだろう、先王陛下!」
「然り! よくも我が享楽を邪魔してくれたな
……
我が意の儘にならぬ
……
忌まわしき逸脱のケダモノめ!」
王の影は敵意を剥き出しにして即答した。
「貴様にこの星の子は渡さぬ。此奴は既に我のもの
……
厄災を齎す新たな堕落の王となるのは必定なり!」
「いいや、絶対にそうはさせない。アンタがイジーに授けた『王位』
……
アンタとイジーを繋ぐ『呪い』は私が断ち斬る。そのために私は生まれてきた!」
ガーベラが決意を叫ぶ中、草原の大精霊は両手にガントレットを装着し、峡谷の大精霊たちはバットを、捨てられた地の大精霊は大槍と大盾を構え直した。
「大丈夫だ。あの影がお前に手ェ出したら、オレの“交信”でどうにかしてやるぜ!」
ネモフィラは獣のガーベラのズタボロケープに掴まり、かの子の頭や肩を撫でた。
「いつもの事ながら、頼もしい限りだよ」とガーベラ。
「キミこそ、私から振り落とされないように気を付けて!」
王の影が空中に無数の赤結晶を出現させるのとほぼ同時に、獣のガーベラと大精霊たちが一斉に駆け出し、攻撃を仕掛けた。
「ゆくぞ皆の者! 」孤島の大精霊が杖を振るいながら喝を入れる。
「『深淵覗き』たちの道を拓くのじゃ!」
「「「「応ッ!!!」」」」
大精霊たちは工業用生物の群れを各々の武器で薙ぎ払い、影が振り下ろす巨大な腕と鍔迫り合いを繰り返す。
「ガーベラ、今のうちに突っ走れ!」
「了解! ネモもしっかり掴まって!」
ガーベラは高速飛来する赤結晶を避け、時に金炎の爪で弾きながら突き進み、灼熱の爪痕を刻みながら影の巨体を駆け上がる。
王の影は怒りを燃やし、左手で獣のガーベラに掴みかかるが、かの子の背に乗るネモフィラの“直結交信”の力を甘く見ていた。
「眩暈に頭痛に全身の痺れ、存分に味わいやがれ!!!」
意識を浸食させる隙を与えぬように、ネモフィラはほんの一瞬だけ王の影の左手に触れ、鍛え抜いてきた“交信”の力で影の意識と痛覚を滅茶苦茶に弄繰り回した。
「ヌゥーッ、おのれ
……
小癪な
……
真似を
……
!!!」
強烈な眩暈、頭を刺し穿つような激痛、四肢の自由を奪う痺れに耐えかね、王の影はガーベラを手放す。
獣のガーベラは、能力行使の反動(軽い眩暈と数分間の記憶混濁)に耐えるネモフィラを抱えて床に着地すると、再びかの子を背中に乗せ、助走をつけて大きく跳躍した。
白金色に輝く炎の獣は甲高い咆哮を上げ、目にも留まらぬ速さで燃え盛る爪を振るい、王の影の頭部から胸部にかけて黄金色の斬撃を浴びせた。
痺れと痛みで動けない王の影は無数の深い傷を負い、仰向けに倒れ込む。
影の源であるイジーもどたりと倒れ、かの子に操られていた工業用生物の群れも沈静化した。
イジーを助けようと駆け寄ったガーベラとネモフィラ、そして大精霊たちは、イジーの胸の核と王の影の胸部を繋ぐ“深紅の光の帯”に気づいた。
「もしやこれが
……
呪いの顕れだというのか?」と雨林の大精霊。
「だろうな」と答えながら、捨てられた地の大精霊が大槍で光の帯を斬ろうと試みる。しかし、大槍の穂は光の帯を通り抜けるばかりであった。
『資格のある者』だけが斬れる代物だと察し、捨てられた地の大精霊は傍に来た獣のガーベラに指示を出す。
「トドメは任せたぞ、深淵覗き!」
「はい、勇者様!」
ガーベラは右腕を振り上げ、金色から白金色に変じた炎の爪で深紅の光の帯を断ち斬った。
「グワァァァァァァァァッ!!! 嗚呼ああああああああああああ!!!!」
王の影は断末魔を上げながら藻搔き、春の陽光で溶ける雪のように形を失い、消滅した。
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