「ネモ
……遂に、“あの子”の真髄を得たんだね?」
深淵覗き
―白イタチのガーベラはネモフィラに尋ねた。
「おう。他にも色々頼まれてやったぜ。“直結交信”で伝える」
「わかった、手を繋ごう」
「ガーベラ、念の為聞くけどよ
……覚悟は揺らいでねえよな?」
「当然だよ。イジーの件で初めてあの影を
―『王位』を断ち斬ってから、私たちの為すべき事は決まっている」
「言うと思ったぜ。それじゃ、臨むとするか!」
書庫の大精霊は問いかける。
「深淵覗き、そして、アレフの後継にして真髄よ。あの子の『心からの願い』を聞いた上での、あなた方の決断
……聞かせてくださいますか?」
「オレの
……オレたちの答えは、これだぜッ!」
ネモフィラが見せたのは、力強い『固辞』のエモートであった。
かの子はガーベラの手を取り、星座盤の中心に立ち、大精霊たちに向けて誓いを叫んだ。
「オレの名はネモフィラ。ネモフィラ・アレフ=レーシュだ。先王から全てを託され、真髄を引き継いだ者として、オレは『王位』を拒む!」
「アレフの望みは、『王冠と玉座を棄て、この呪われた世界の理を正し、償いの終わりに虚空へ去ること』だ。『“やり直し”も、我を喪ったことを悔やむのもやめよ』とも言ってたぜ」
「オレは『王位』を棄てたアレフ=レーシュの片割れとして、ガーベラと共に世界を巡る事にする。そして、全ての残り火の子らが抱える呪いを
―『王に至る運命或いは可能性』を断ち切り、偉大なる銀河の輝き、
宙の意志へ返すことをここに誓う!」
大精霊全員が拍手し、ネモフィラの宣誓に賛同した。
「最後に、この場を借りて、もう一つ大事なことを話しておくぜ。特にガーベラに対してな」
ネモフィラは深呼吸し、白イタチのガーベラを真剣に見つめ、話し始めた。
「ガーベラの同行はアレフ本人の望みだ。そして、オレとしても
……他人や世界の
愛しみ方を教えてくれたお前と共に居られるなら、どんな困難も一緒に乗り越えられる気がするぜ!」
「
……ありがとう、ネモ。私も、あらゆる脅威からキミを守り抜いて、キミと共に使命を果たそう」
感極まったガーベラは、恭しくネモフィラに跪いた。
「これ以上、王の影に狂わされる子たちが現れないように。王の罪業を継ぐ者であっても、皆が皆、それぞれの道を選び、何処へでも、何処までも飛んで行けるように」
ネモフィラ・アレフ=レーシュ。
深淵覗きガーベラ。
王位返上を誓いし後継と、守護の獣。
彼らの『真の冒険』は、ここから始まる。
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