【#深淵覗きの断章】But It Is Not This Day

アレフ=レーシュ編、最終作。
夢を介して、『捨てられた地の大精霊の記憶』を見たガーベラとネモフィラ。
目覚めた彼らに、空の王国と星の子どもたちの運命を揺るがす試練が待ち受ける。

⚠原作の諸要素に対する独自解釈・捏造・オリジナル設定あり⚠
※戦闘・流血描写を含みます。

Fanmade by チーバオ(QiBao)
#sky創作 #sky二次創作


「これは、やむを得んな……いくぞガーベラ!」
「は、はいッ!!!」
 大精霊の大槍が、続いて獣の姿に変じたガーベラの爪が、黒き触腕の波を薙ぎ払う。しかし、炎を纏った爪と槍は闇に堕ちた生物たちを怯ませた程度で、焼き斬られた彼らの触腕は即座に生え変わってしまった。
 幾匹かの生物が獣のガーベラに飛び付こうとするが、かの子を庇う大精霊の大盾で殴り潰された。それでも絶命には至らず、生物たちは黒い血を泡立たせながら身体を修復させる。
「嘘でしょ、なんであんなに頑丈になってるの?!」
生物たちの攻撃をどうにか躱しながら叫ぶガーベラに、捨てられた地の大精霊は「あれを見ろ!」と促した。

 大精霊が槍を向けた方向生物たちの群れの奥で、ひとりの異様な星の子がケタケタ笑い続けている。
「アハハァー……アハハハハハハハハハハ!!!!」
 ツインホイップの髪、ワンピース、愛しみの花冠、白ティア2ケープのあちこちが赤黒の結晶に侵食され、想いの仮面から深紅の眼光が漏れていた。

「かの子の名はイジー。ペンネムとネネムの友。工業用生物を操り強化する『残り火』だ」
「あの子が?」
「おそらくだが、お前たちが探し出すことを見越して、宰相殿が解放したのだろうな。矯正器具も無し。アレフの影に乗っ取られ暴走している」
「そんな……!」
 それは即ち、かの子を殺して『真っ新』な星の子にする以外に方法がないことを意味する。
 闇の花のネネムやその師匠ペンネムの悲劇が、今、再び繰り返されようとしていた。