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河童の皿箱
2025-04-02 09:42:52
33860文字
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遊戯王:長め
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娑楽斎が端午の節句を祝うだけ
娑楽斎が端午の節句を祝うだけ
※設定に誤りがある部分あり。未修正。
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さて、所変わって。よく日の届く山間に、ぽつんと建った木造の一軒家。その周囲は実にさまざまな種類のハーブ、香草、薬草の類が丁寧に手入れされ、よく茂っている。小さなガーデンテーブルとチェアの置かれた優雅な庭までもがあり、風がひとつ吹けば、花々の淡い香りが、ふわりふわりと空気を染める。
そんな静かな場所に、随分と着こんだ男がひとり。狩衣を纏うワゴンである。いつもは鬘を被っている頭には烏帽子を乗せて、貴族のようにゆったり、のんびり。家まで続く石畳をコツコツ鳴らしながら、花咲くアーチをくぐり、時折しゃがみこんでは花の色と香りを堪能していた。
おっと、こうしているとどやされてしまうな。それでもなお、ワゴンは花々を楽しみながら歩を進める。ようやく扉の前に立てば、こん、こん、こん、と。きぃと開いて顔をのぞかせたのは、淡いクリーム色の髪を緩く編んだ女であった。あら、お待ちしておりましたわ、ワゴンさん。やぁ、今日はよろしくお願いするよ、マジョラムさん。
ここはアロマ用品の専門店。ひとたび足を踏み入れれば、カウンターの奥の棚にはオイルやキャンドル、ディフューザーに生花と、豊富な品揃えが待っていた。天井から収穫済みの花が吊り下がり、自然光の対角にはポットに火が灯っている。
ここはいつも、とてもいい香りがするね。ついつい背が伸びてしまう、と。ワゴンがつい口に出せば、マジョラムはふふふと微笑み、何時かはあなた好みのブレンドも作ってみたいですわ、と。でも、今日のご用はこちらでしょう? カウンターの奥に入ったマジョラムは、その下から小さな袋がたっぷり入ったかごを取り出した。あぁ、その通り。やはりこうしたことは専門家に任せた方が確実だからなぁ。袋をひとつ手に取れば、かさりと中で乾燥した草が音を鳴らす。ふんふん、鼻で嗅いでみると、すっとする様な爽やかな香りが鼻腔を通り抜けた。
いいえ、こちらこそ。新商品のアイデアをいただいたのですから。マジョラムは棚から紙を一枚取り出し、開いてワゴンに見せる。代筆者としてサインし、代金を支払った。会計を済ませると、マジョラムはまた別の紙を取り出しては、ワゴンに見せる。
こちらを試作してみたのだけれど、みんな喜んでくれたわ。とっても素敵で綺麗だ、って。乗り気になってくれたみたい。だからお祭りの当日は、私ひとりじゃなくて、全員で押し掛けることになると思うのだけれど
……
場所は大丈夫かしら、初めより広くとっておいた方がと思うの。ワゴンは頷く。確かに、こちらはかなりの大所帯だから、今のひとり用だと手狭になるだろう。
…
そうだな、連絡を取ってみるよ。今ならまだ屋台を置いて居ないだろうし、調整が効くはずだ。
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