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河童の皿箱
2025-04-02 09:42:52
33860文字
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遊戯王:長め
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娑楽斎が端午の節句を祝うだけ
娑楽斎が端午の節句を祝うだけ
※設定に誤りがある部分あり。未修正。
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ぐ、と紐を引けば、初めと比較にならないほどの重さが腕にかかる。2人がかりで徐々に、徐々に引いて、所定の位置で停止。教えられたとおりの結び方でぐっと結び、解けないかどうかを確認して。
はー
……
やっと、やっと終わった
……
お疲れさん
……
。思わずその場に倒れ込むのは、赤髪の男ことファイア。その隣に座り込んだのは、青髪の男ことラゼンである。休憩や食事、睡眠時間を挟みつつではあるものの、2人は鯉幟の飾りつけを続け、ようやく終えることができた。しかも、その仕事を振ってきた娑楽斎は、2人だけでも飾り付けができると判断した途端に、じゃあ後は頼んだ、とどこかへ行ってしまった。
いやぁ、良い運動になったな。ファイアがヘロヘロになりながらも笑えば、まあ、そうだな、とラゼンはため息をつく。とはいえ、目の前の谷で泳ぐ100匹の鯉を見れば、まあ頑張った甲斐はあるか、と。やり切った達成感と、一区切り故にのしかかる疲労感と。少し落ち着くためにも、2人はそのままぼうっと眺め続けた。
ふと、ファイアは提案する。腹減ったし、飯食おうぜ、と。ラゼンは頷き、2人は駐車場に設置された休憩用テントに入る。いくつ食べる? お前は相変わらずパンか? 米ってまだ慣れねぇんだよなぁ、パンのほうがなじみ深くってよ。まあ、お前の文化圏じゃあそうか。ファイアはハムとチーズとレタスが挟まったパンを、ラゼンは米と魚が盛り込まれた弁当を選び、それぞれ食べ進め始める。娑楽斎は無茶振りこそすれど乱暴な扱いはせず、移動手段やれ宿やれ飯やれに困ることはなかった。
今日もまた晴天なり。谷間に風が吹き抜ければ、風を食べる鯉たちがハタハタはためく。赤に青に黄色に緑。そして、黒に白。景色にぱっと出てくるだけで、どこか愉快な気持ちが湧いてくるのが、また不思議であった。
食事を終え、ごみをまとめ、空いた木箱をトラックに積んで。テントももう畳んでいいだろう。ざっと片付けを終えて、さあ、次は
……
。そうしている間に、上流の方から2人の人影がやってくるのが見えた。片や派手な黄色い装束のくノ一、こと小夜丸。片や黒衣に身を包むスパイダーである。
あ! 昨日の人たち! すごいすごい、もう飾り付け終わってるじゃないですか! 流石は力自慢で呼ばれた人! いよっ!
こちらの姿を見るや否や、小夜丸は目にもとまらぬ速さで接近しては、2人の目の前へ飛び出した。懐に入られたラゼンはつい、反射で小夜丸に手が出そうになるが、そこはグッと抑え込み。すると、ゆっくり歩いてきたスパイダーは、小夜丸の肩にポンと手を置いた。何を言うでもなかったが、小夜丸は少し身を固くし、じっと静かになる。次には鯉幟の結び方を確認し、頷く。そうして出来栄えに満足した後、男2人の前に予定表を広げ、ある箇所を指差した。どうやら、まだ運ばなくてはならないものがあるらしい。
そうしていると、娑楽斎が走って戻ってきた。おーい、待たせたな。次の現場行くから、トラック乗ってくれ、と。あぁ、わかった。すっかり慣れた2人はトラックに乗り込み、娑楽斎がハンドルを握れば、走り出す。
あー! またお名前聞き損ねたじゃないですかー! 次に会った時は聞かせてくださいねーーー!!
トラックの駆動音にも負けぬ大声が聞こえてきた。
……
元気だな。あぁ、元気だ
……
。こういう奴なんだ、小夜丸は。
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