イヌノカニ
2026-01-21 09:14:38
31075文字
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【創作BL・未完・更新中】ぬいぐるみが安心毛布の魔法使い・ファンタジー・総受け(固定)

ファンタジー設定はフワッと。
これは長期休みになったら一日かけて、一気にアイディアをまとめたいと思います。

メモ
26/02/03から記録

26/06/08:更新
26/02/23:更新、修正
26/02/22:更新
26/02/21:修正・更新、26/02/20:修正・加筆・更新、26/02/08:加筆・更新、26/02/07:修正・加筆・更新、26/02/03:修正



◆王子目線

「おや、本日はもう良いのですか」
「あぁ」

従者を連れて真っ直ぐ自室へ戻る廊下を歩いていると、向こうから自分の友であり、現第二騎士団副団長の座についた男が歩いてくる。
その可愛らしい顔とは似合わず、筋肉がつき友人と言えど底知れなさを感じる男は、やはりどう見ても先程みた者とは似ても似つかない。

「おはようございます。殿下」
「お前、どこにいた」
「第二騎士団は六時から朝礼です。そちらに参加していましたよ。誰かさんが参加しろと言うから、今は第一騎士団の朝礼に向かう途中です。……そんなことを聞くなんて、何かの調査ですか」
「いや、いつもより現れるのが早いと思ってな」

適当な嘘をつく。

「あぁ、今日は大きな議題がなかったのです。昨日であのポーションの件がひと段落したので、よかったね〜で終わりました。他にも病の流行が気になりますが、これは騎士団にはどうにも出来ませんからね。議題にはなりません」
「そうか、叔父上も今苦しんでいるからな。どうにか早く対策を練らねければ」

ニコリと笑うだけで何も答えないこの男は、きっと叔父も病のことも本当はどうでも良いんだろう。
兄が行方不明になると、コイツは変わった。元々そのきらいはあったが、周囲に無関心になった。いや、もしかしたらずっと兄以外のことはどうでも良いのかも知れない。

「では、僕はこれで失礼します」

恭しく挨拶をする彼を見届けてから、自室に急ぐ気持ちを抑えて戻る。

――アイツは気付いていない……

部屋の本棚にある本を何冊かどけで、裏に置かれている透明なガラスのケースに入った、ぬいぐるみを取り出す。

それはあの日、自分が池に捨てた、彼のぬいぐるみだった。
リボンを付け、花で箱の中を飾り付けて、幼い汚い文字のまま謝罪のメッセージを書いたカードが取り付けられている。

もう二度とこれを返すことが出来なくなったと思っていた。
しかし今日、間違えなく彼が、再び自分の元へ現れた。それもあの場所に。

どうやって探し出そうか。
弟の方は頼ってはダメだ。後から気付いたことだったが、あの池の日以降、彼を自分から遠ざけていたのはあの弟だった。アイツに頼んだら見つかったとしても隠されてしまうかも知れない。アイツが見つける前に見つけ出さなければ。

では、忠誠心の強い第一騎士団を頼るか?
仕事の合間にどう都合をつけさせよう。いや騎士団を使ったらアイツに簡単にバレるかもしれない。それに、自分は王子という、国を良くし守る立場にいる。自分のために騎士団の業務を疎かにしてまで探してもらうのは王子として許せない。

結局、自分で探すしかなさそうだ。