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イヌノカニ
2026-01-21 09:14:38
31075文字
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【創作BL・未完・更新中】ぬいぐるみが安心毛布の魔法使い・ファンタジー・総受け(固定)
ファンタジー設定はフワッと。
これは長期休みになったら一日かけて、一気にアイディアをまとめたいと思います。
メモ
26/02/03から記録
26/06/08:更新
26/02/23:更新、修正
26/02/22:更新
26/02/21:修正・更新、26/02/20:修正・加筆・更新、26/02/08:加筆・更新、26/02/07:修正・加筆・更新、26/02/03:修正
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↓きちんと書くなら、伏線貼ったけれどここは全カットする。
急遽建てられた別宅ということで、王弟殿下が住う建物にしては、こじんまりとしていた。それでも豪華な内装には代わりなかったが、優しい◻︎様に合った落ち着いた雰囲気がある。
現国王は病気に伏せる弟のために、この別宅を急いで作らせたらしい。誰に対しても優しいと貴族達だけでなく、国民からも支持を得ている現国王は、どんな気持ちでこの別宅を建てたのだろうか。果たして優しさだけなのか
……
罪悪感なのか
……
、僕には分からないことだ。
応接間に通されると、五分もしないうちに使用人らしき人が白衣を着た医師を連れて現れた。
医師が僕の顔を見て嬉しそうに「ようやく来てくれましたか」と言うので、笑顔で言葉の続きを待つと「王弟殿下が目を覚まさなくなってからは、はじめてですね。きっと貴方に会いたかったと思いますよ」と言った。
やはり弟は見舞いに来ていなかったのか。
「すみません、忙しくてなかなか来れなかったのです。
……
その、◻︎様、
……
王弟殿下が目を覚さないというのは
……
」
「そんな言い直さなくても
……
あぁ、はい。そうですね」
医師はチラリと騎士様の顔を見て、何かを納得したように言った。
そんな様子を見て、隣に座る騎士様は苛立ったようで自分の腕を人差し指でトントンと何度も叩いている。
「先程から、まるで俺をいない者みたいに扱って失礼ではないのか。俺は第一騎士団の副団長で、しかも我が△家だって〇〇家に劣らず、王家に対する忠義は充分ある」
「あぁ、△家の方ですか!いやそれは失礼。しかし、いかがしましょう」
また医師は僕に話しかけて来る。
「◻︎様の病状は芳しくありません。今は会う方を厳選している状態です。いくら国王を救った△家の方と言えど、さすがにご遠慮していただきたいのですが
……
」
「なんだと!?」
今にも医師に掴みかかりそうな騎士様の服を引っ張り、自分に任せてという念を送ってみる。そんな僕に騎士様は思いっきり眉間に皺を寄せた。騎士様の顔が怖すぎて悲鳴が出かけたが、なんとか堪えて医師にもう一度向き合う。
「僕達は王子からの命で、◻︎様のお見舞いに来ました。王子は現状を憂いており、少しでも手掛かりが欲しいと第一騎士団の副団長である彼と、第二騎士団副団長である僕に、◻︎様の状況を知っておいて欲しいと考えたようです」
「そうですか、
……
私が不甲斐ないばかりに、全く関係ない方にまで頼らないといけないとは」
「はぁ!?」
きっと騎士様の怒りパロメーターが目視できたのなら、今にも爆発しそうなくらいゲージは満タンに違いない。僕はその怒りが爆発する前に、医師の手を握った。
「騎士様はとても素晴らしい方なのです。僕も何度も助けてもらいました。だから安心してください。それに原因不明の病なのです。王子は専門的な知識がない我々が加わる事で、思わぬ角度から打開策が見つかるかもしれないと考えたはずです。協力して絶対に◻︎様を救いましょう」
弟の真似をして笑顔をみせると、医師は涙を流した。
「感激しました!まさか貴方様からそんな言葉が聞けるとは
……
!えぇ、共に◻︎様を救いましょう!」
では、◻︎様のところまで案内します。と医師が部屋へ案内するのに着いて行きながら、騎士様は苛立ったまま「納得いかない」と呟いていた。
↑ココマデ
*
出迎えてくれた使用人と◻︎様の主治医に案内をしてもらい、◻︎様が療養中の部屋までやって来た。
療養のために作られた屋敷だからか、大きな部屋にベッドが置いてあるのみだった。昔遊びに行った部屋には、◻︎様の好きな本や、趣味だという集めた魔法石が入った棚などがあったのに、この部屋には何もなくて寂しさを感じた。
入った時にはちょうど死角で見えなかったが、ベッドをよく見ると痩せて頬骨が浮き出て、苦しそうに顔を歪めた◻︎様が目に飛び込んでくる。
「
……
◻︎様っ!」
思わず涙ぐんで、何度も名前を呼びながら◻︎様の元へ駆け寄り、両手で手を握る。
幼い頃、優しく頭を撫でてくれた大きいあの手とは違い、優しく握らなければ折れてしまいそうな程、弱々しく感じた。
こんな僕に何が出来るだろう。
僕にあるのは膨大な魔力だけだ。
もし、僕の魔力全てを使った治癒魔法でこの人を治せるなら僕は惜しみなく使う。しかし、魔法というのは多ければ多いほど良いという物ではないのだ。
人それぞれが持つ魔力量とは別に、魔力耐性というのがある。簡単に言うと外からの魔力に、どれだけその人が耐えられるかという事だ。
ポーションのように何かを介すのであれば、そこまで影響は出ないが、魔力を直接流すとなると人によっては負荷がかかり過ぎて熱が出たり、最悪の場合は命が絶えてしまう。特に風邪など体調不良の際には魔力耐性はかなり落ちる。
「◻︎様は高度な魔法も使える、しかしこの状態だと魔力耐性はどうなってるんだろう。あぁ、やっぱり弱っている。とりあえず、少しだけ回復魔法を掛けてみよう
……
」
ブツブツと独り言を言う僕に、どうやら騎士様は「おい、何している。おい、」とか声をかけていたようだが、僕は全く気付かなかった。
僕の体に光がまとい、地面から出てきた穏やかな風に揺られて髪が揺れる。
「これは、魔法?なぜ、弟様が?」
入り口付近では医師と騎士がそんな様子を見届けていた。
医師がそう呟いたのに対して、騎士は何となく受けが魔法を使っている姿を見せてはいけないと感じた。
「ハァァァァァー!」
咄嗟に大きな声を出して◻︎様に向けて手をかざす。演出として自分の地面から光も出してみた。もちろん治癒魔法は使っていないので使っているフリだ。
「医師殿!我々は命を受けて、試しに私の治癒魔法を使う事になっている!とりあえず、ここは俺たちだけにしてくれないか!」
「いや、しかし、なぜここで
……
」「これは、アイツの願いでもある、ハァァァァァ!」「そういう事でしたら、我々は一旦失礼しましょう」
ドアが閉まる音を聞いてホッとする。
今すぐにでも、アイツに一言言ってやりたい衝動に駆られたが、必死に◻︎様の治療をしようと集中している姿に声を掛けられなかった。
呆れるように溜息を吐くと、◻︎様の治療は彼に任せる代わりに本棚に目を向ける。本当に手探りなんだろうと分かる程、最新のものから古代の医学書までズラリと並んでいる。
「これは」
――
治療日記
汚い文字でそれだけ書かれていた。あの医者がつけたものだろう。それを捲ると、◻︎様の病に伏せってからの事が書かれていた。
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