イヌノカニ
2026-01-21 09:14:38
31075文字
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【創作BL・未完・更新中】ぬいぐるみが安心毛布の魔法使い・ファンタジー・総受け(固定)

ファンタジー設定はフワッと。
これは長期休みになったら一日かけて、一気にアイディアをまとめたいと思います。

メモ
26/02/03から記録

26/06/08:更新
26/02/23:更新、修正
26/02/22:更新
26/02/21:修正・更新、26/02/20:修正・加筆・更新、26/02/08:加筆・更新、26/02/07:修正・加筆・更新、26/02/03:修正



街の裏路地に着くように転移魔法を使う。
不審に思われないコツは堂々と歩くこと。それでも弟が所属する騎士団の人がいたら怖いから、一応すぐ近くにいない事を確認する。

別に僕は、自分がいなくなった後のことは何も気にしていなかった。腫れ物扱い、嫌われ者の僕がいなくなっても「よかったね」くらいで皆んなすぐ忘れると思ったからだ。

それでも弟に迷惑を掛けてしまうのは違う。
僕がもしまた誰かを不快にしてしまったら、弟に兄がいたことなんて皆んな忘れているだろうから、きっと僕のことを弟と勘違いしてしまうだろう。それだけは避けたかった。あと普通に、弟と思って色々な人に声を掛けられると怖い。

いつものようにポーションを買ってくれる店へ入り「あ、あのお、すみませーん」と声をかける。

するといつものように、店の奥から店主が現れた。
しかし、今日はなぜか騎士に抱えられて。

「えっ!?えぇ!?」

どうして?逃げた方がいいの?この状況なに!?

「動いたら、お前を真っ二つに切る」

ひぃぃ、両手をあげて降参のポーズを取る。
もちろん、マントの下でバクのぬいぐるみの手は離さない。

「お前か、違法性の高いポーションを作り、闇市で横流ししていたのは」

全く心当たりのない事を聞かれた。

「い、違法性!?僕は独学で作ったものは売ってません!学校で習った通りの簡単なポーションを、こちらの薬屋に持ち込んでいたんです」

「ほう、薬屋、ね?どっからどうみても薬屋とは程遠い、怪しげな場所ではないか」

その辺に呻きながら横たわっている人を指差して目の前の騎士が言う。

「彼らは患者さんって聞いてます。ねっ、人助けするのが生き甲斐だって言ってましたもんね、店主さん!」

すがるように言うが、店主は顔を真っ青にしたまま叫んだ。

「お、俺はなんもしらねぇ!コイツに作った薬を闇市で売ってこいって言われたんだ!」

「えぇぇ!??」

初耳すぎる。

「だっ、そうだが?」

鋭い目をし高身長で、僕の変身後の体格と同じくらいの筋肉がついた、男が僕に迫って言う。

「ち、違う、そうだ!僕、今日はポーションを売ろうと思って持ってきています。違法性がない普通のポーションだって証明できます。カゴから取り出しても良いでしょうか?」

……許可する」

その言葉に顔を明るくし、カゴからポーションを取り出す。
効果が強い順番に並べて、左から効力が小中大です。
と説明する。

騎士様が手に取りポーションの入った瓶をクルクルと回すと「だいたい分かった」と言った。

「まず、一番左の小が通常の回復量特大のポーションだ。中、大と言ったものは市場に流す際の基準値から大幅に外れている」

「えぇ!?だって、店主はこれが基準のだって、問題ないって、次もよろしくね、って、……

騎士は何かを考えるように僕のことを見下ろすと、店の扉が後ろから勢いよく開く音がした。

「大変です。◇様!第二騎士団の副団長が来ました。なにやら我々の動きを嗅ぎつけたようです。どうしますか」

第二、騎士団の、副団長。
弟だ。

「何もやましいことをしている訳ではないが、手柄を取られるのはごめんだ。とりあえず、ここから撤退し事情聴取を……

「ぼ、僕かえります!すみません!」

「おいっ、」

騎士様が何かを言いかけ慌てて僕に手をかざした。僕は転移魔法を使い地面が緑色にキラキラと光る。

「転移魔法だと!?お前はいったい……!」

僕はその言葉も聞かずにポーションを置いて逃げるように家まで帰った。



街からかなり離れた森の中に帰るには、膨大な魔力を持つ僕でも、さすがに少し疲れる。

家に着くと、急に緊張やら疲れやらが出てきて、ダバーと涙が溢れる。

「こ、怖かったよお」

ふらふらと部屋の中で一番大きなぬいぐるみに抱きつくと、着替えることもせずに、そのまま疲れて眠ってしまった。
あっ、そういえば今日は結局なにも食べなかった。

眠りにつく寸前に思い出したように変身魔法を解いていく。キラキラと光る粒を纏いながら、ぬいぐるみに抱きつき、片手にはバクのぬいぐるみと手を繋ぎながら眠った。