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イヌノカニ
2026-01-21 09:14:38
31075文字
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【創作BL・未完・更新中】ぬいぐるみが安心毛布の魔法使い・ファンタジー・総受け(固定)
ファンタジー設定はフワッと。
これは長期休みになったら一日かけて、一気にアイディアをまとめたいと思います。
メモ
26/02/03から記録
26/06/08:更新
26/02/23:更新、修正
26/02/22:更新
26/02/21:修正・更新、26/02/20:修正・加筆・更新、26/02/08:加筆・更新、26/02/07:修正・加筆・更新、26/02/03:修正
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受けは◻︎様の手を取り、ベッドの横に座る。
彼が目を瞑り意識を集中すると、部屋一面が緑色の光に包まれた。
魔力の凄まじさによって、勢いよく風が巻き起こり、騎士の髪や服も後ろへ靡いていく。数々の魔獣と戦い、王族のために鍛えてきた騎士でも立っているのがやっとな程だった。
それから、数分もしないうちに◻︎様と受けを包み込むように、下から大きな筒状の塊が現れた。それは緑色の光を纏っていて、恐らくあの緑色の光はきっと彼がかけている治癒魔法なのだろう。魔法が可視化出来ることも今日初めて知った。
……
なんなんだ、アイツは。
「◻︎様!」
受けがそう叫んだのと同時に、治癒魔法の塊が一気に弾け飛んで、部屋中に緑の光が散らばっていく。
幻想的な様子に目を奪われるが「騎士様!◻︎様が!」と受けが叫ぶように言ったので、ハッと我に帰り◻︎様の元へ駆け寄る。小さなうめき声と共に、◻︎様はゆっくりと目を開けていく。
「◻︎様!」
受けの呼びかける声に反応するように、彼へ目を向けると驚いたように目を見開いた。そこから握られている手に気付くと、彼は優しく微笑みかけ、受けの顔へ手を伸ばす。
その手が受けの頬からゆっくり下っていき、首筋から腹の辺りまで撫でていく様子を見た時、何か引っかかるものを感じた。なんとなくだが、このままだと尊敬して止まない王族の◻︎様に対して、それが崩れ落ちてしまうような、危機感のようなものを感じ、受けの体を後ろへ引っ張り、彼から引き離した。
「騎士様?」
「あ、えーと、◻︎様、お体の調子はどうでしょうか」
「あぁ少しの間だけだが、だいぶ良くなったよ。受けが治癒魔法をかけてくれたんだね。さあ、私に顔をよく見せておくれ」
「はい、◻︎様」
また受けの顔に向かって手を伸ばすので、また受けを後ろへ引っ張ろうと思ったが、そうする間もなく、◻︎様の腕はガクッとまたベッドの上に落ちて行った。
「◻︎様!」
受けと二人で声を合わせて言う。
「
……
すまない、また、少し
……
眠る
……
」
彼はそう言うと目を閉じ、しばらくすると寝息が聞こえてきた。それでも、今日最初に会った時よりは穏やかな眠りのように思える。
受けが彼に布団を掛け直していると、バタバタと足音が聞こえてきた。
「なにごとですか!?」
勢いよくドアが開かれ、先ほどの医者が恐らく地下で研究しているという他の研究者達と思われる人達と一緒にやって来た。
「◻︎様が、一瞬だけですが意識を取り戻しました」
冷静に言う受けに対して、医者達は絶句していた。
「な、なにを、したのですか、先ほどの光も、騒音も、我々が研究しても何も成果が得られていないのに、一体なにを」
「あぁ、たくさん魔法を掛けたんだ」
「
……
はあ?」
医師達は若干の苛立ちも込めて言った。さっきから、この医者、俺に対して失礼過ぎる。
「だから、たくさん魔法を掛けたって言っている」
「なにをそんな馬鹿げた力技で、我々は何ヶ月も地下に篭って研究をしてるんだぞ」
「さっきから失礼な奴らだな!だったら◻︎様の容態を見てみろ!それが証明だ」
医師達は◻︎様へ近寄り、魔法を使い色々と検査をしていく。
「し、信じられませんが、今朝よりも容態が安定しております」
「な、なんだと、本当に力技でどうにかしたのか」
ザワザワと研究者達が騒いでいる中、ずっと王族に仕えているという医師だけは怪訝そうな顔をしている。
「もし、そうだとすれば、一体誰が
……
?あの騎士には、そんな魔力があるとは思えないし、(弟の名前)様には
……
」
「まあ、そういう「奇跡」も起こるだろう。なにせ、原因不明の病なんだ」
全員で声のした方を向くと、ドアの前に腕を組んで立っている殿下がいた。
「ど、どうして、ここに」
受けが顔を真っ青にして殿下に聞くと、彼はニッコリと笑って「私が命じたんだから、様子を見に来るに決まっているだろう」と言った。どうやら適当に騎士達やこの医者に言った嘘を聞きつけてやって来たらしい。
非常にまずいことになった。
「さあ、こんなに人が集まっていては叔父上も落ち着かないだろう。とりあえずここは解散にしよう。医師達は引き続き叔父上の検査を頼む」
カツ、カツ、と靴を鳴らしながら、ゆっくりと殿下は受けの方へ歩いてくる。◻︎様の横で座っている彼に手を伸ばすと、受けは戸惑いながらも彼の手に手を重ねた。
俺たちの間に、緊張が走る。
「い、一緒にお茶でもしないか、美味しいお菓子を用意しているんだ。きっと気にいると思う」
「
……
へ?」
なぜか殿下の方も緊張しているように、声を震わせていた。そんなことよりも、お茶会だと!?
「い、良いのですか!?殿下とお茶ができるなんて
……
!」
「え?」
「へ?」
俺の言葉になぜか殿下と受けが驚いたような声を出していた。受けが言いたいことは何となくだが分かる。どうせ◻︎様の様子をみおえたのだから帰りたいとか思っていたのだろう。だがしかし!こんな光栄なチャンス二度とないかもしれない。敬愛する殿下とお茶が出来るなんて、行かない他に選択肢はない。
「ぜひ、我々で良ければご一緒します!」
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