美結
2026-01-04 11:46:52
33619文字
Public ロール
 

🐯👒原作軸SSまとめ

2023年から2025年までのロール原作軸SSをまとめました!



『なあ、好きだ!』

「なァ、トラ男」
 とある晴れた秋島での出会いだった。
 特に示し合わせてもいないのに、ルフィ達麦わらの一味とロー達ハートの海賊団はこうしてよく航路が重なる。最初の頃は出会う度に振り回されていたので、厄介だと思わなくもなかったが、今では喜ばしい出会いとなった。
 それもこれも、今の二人の間には同盟相手であった頃とは別の関係性が生まれているからに他ならない。
 紅葉が綺麗な秋島の一角。柔らかな秋風に乗ってひらひらと舞い込む紅葉の葉を一枚掴んだルフィに呼ばれて、ローは答えながらその隣に並び立つ。
「好きだぞ」
 隣に並び立った瞬間、そう言ったルフィはローの方を見て照れ臭そうに笑った。
「おれも、お前が好きだ」
「おう!」
 応えるように言葉を返すと、ルフィの笑顔に嬉しさが滲む。手にした紅葉ほど赤くはないが、僅かに色付いている頬は綺麗に見えた。自分もきっと、今は照れた顔をしている。恋人同士になったからと言っても、まだ始まったばかりの関係だ。伝え合う事には不慣れだった。
「綺麗だな、紅葉って」
「お前にも分かるのか」
「分かるぞ!?」
 心外だとばかりに声を上げたルフィへ、ローは微かに笑いかけると同じように舞い込んだ紅葉を一つ掴む。
「なら、今日の記念に持って帰って栞でも作るか」
「栞かー、おれは本読まねェからなァ」
「おれが読んでやる」
 秋島に来たのだ。紅葉まで楽しんだのなら、読書の良さをルフィに教えるのも悪くはない。どうだ?と視線を傾ければ、ルフィは腕を組んで暫く唸った後に頷いた。
「トラ男の声なら、聴けるかもしれねェ。好きだから」
「そりゃお互い様だ」