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美結
2026-01-04 11:46:52
33619文字
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ロール
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🐯👒原作軸SSまとめ
2023年から2025年までのロール原作軸SSをまとめました!
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『上乗せされた甘さ』
「お前
……
将来糖尿病になっても知らねェぞ」
ルフィのおやつの量を見て、真っ先に病の心配をするのは医者の性だろうなとサンジは思った。
時は昼を過ぎて女性陣のティータイムにふさわしい時刻。場所はお馴染み、サウザンドサニー号のダイニング兼キッチンだ。
今日も今日とて、『たまたま』航路が重なったという元同盟相手の海賊団船長、トラファルガー・ローがうちの船長であるモンキー・D・ルフィに会いに来た。これが何度目の重なりで、うちの船長とローがどんな関係を築いているかについて、サンジはもちろん一味全員が理解している。この航路の重なりに、我が船の優秀な航海士であるナミが関与していないはずなどない。今日のティータイムにはサービスを追加しようと決めて、サンジは引き続きテーブルにいるルフィとローの方に視線を向けた。
「トウニョウ?」
「今はいい、喋らず食え」
「ん!」
不思議そうな顔をローに向けながらも手を止めないところを見るに、今日のおやつであるシュークリームはルフィにも気に入られたらしい。そのうちチョッパーやウソップもやってくるだろうと、サンジは二人の分の用意も忘れずに行う。
ローの前には淹れたてのアイスコーヒーのグラスと、取り皿が置いてある。ローは甘いものが特に好きというわけではないので、甘すぎるかもしれない時はルフィの分から取り分けられるようにしている。
「トラ男は食わねェのか?」
何個めかになるシュークリームを食べ終えたルフィがふと手を止めて、左隣に座っているローを見つめた。
「お前が食ってる姿を見るだけで胸焼けがしてくる」
「食いたくないわけじゃねェんだろ?」
じっと見つめるルフィの瞳をローは黙って受け止めていたが、やがて観念したように片手を伸ばした。まだ半分ほど残っている積み上げられたシュークリームの一つを手に取り、ローの分の取り皿に置いたのだ。
あのルフィが食べ物の事で譲りを見せた光景にも驚いたが、ローがそれに付き合う光景にもサンジは驚いた。随分とうちの船長に絆されやすくなったものである。
「ししし!やっぱり食いたかったんじゃねェか」
「おれが食わねェとお前の手が止まったままになるからだ」
素直に認めないローだが、ルフィはお構いなしで嬉しそうに笑っている。ローの指先がシュークリームの皮を優しく掴み、持ち上げたかと思うと柔く噛みついた。中のカスタードクリームが溢れないように注意しながら噛みちぎり、そのまま咀嚼する。すると、眉間に刻まれていた皺が少しだけ緩み、金色の瞳が僅かに見開かれた。
「
……
美味ェな」
「だろ!?サンジの作ったシュークリームだからな!」
得意げに胸を張るルフィにつられ、サンジ自身も少しだけしてやったりな笑みを浮かべる。今日のカスタードクリームは自信作だったのだ。口に含んだ瞬間は確かな甘さが広がるのだが、舌触りはなめらかでしつこくない。
ルフィのように大量に食べる者も居れば、ローのように一つしか食べない者も居る。ならばどちらにも満足感を与えたいと思うのが料理人の性だった。
「あァ、この甘さならおれも少しは食えそうだ」
「良かった!なら食べられるだけ食べろよ、トラ男も!」
ローの評価に尚も嬉しそうな笑みを浮かべたルフィが、シュークリームを食べていた手の動きを再開させる。頷きながらアイスコーヒーを一口、ストローから飲んだローも食べかけのシュークリームに齧り付いた。
二人が満足した様子を確認したサンジは、そろそろ集まってくるであろう仲間達の分を皿に乗せてキッチンからダイニングに運ぼうと動く。
と、そこで一つ目のシュークリームを食べ終えたローがルフィの方に顔を寄せた。
「麦わら屋」
「ん?」
「鼻の頭。クリームがついてる」
そう言ったローにルフィが一瞬手を止めた時の事だった。サンジがこの場に居ることを知りながら、ローは実に自然な動きでルフィの鼻頭についたカスタードクリームをペロリと舐め取ったのだ。
「ひゃ!?」
驚いたルフィが上げた声の高さといい、あまりの見せ付けっぷりに思わず皿を落としそうになる。慌てて体勢を立て直すと、こちらを見たローと目が合った。
「ご馳走さん」
「そりゃこっちのセリフだ、クソバカップル!!」
早く仲間達を呼びに行けば良かったと思った。
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