美結
2026-01-04 11:46:52
33619文字
Public ロール
 

🐯👒原作軸SSまとめ

2023年から2025年までのロール原作軸SSをまとめました!



『朝食を御一緒しませんか』

 「ようやく片付いたか」
 「……すっかり日が暮れちまったなァ。トラ男と一緒に居られる時間は少ねェっていうのに」
 三〇億の賞金首が二人揃っている以上、狙われない方が妙な話だとも言える。麦わら屋と落ち合って暫くした頃、大挙して押しかけてきた賞金狩り達は中々にしつこいヤツらだった。互いに遅れを取る相手ではないが、数が多ければ消耗も軽い擦り傷程度の怪我も増える。終わってみれば随分と汗をかき、傷を増やし、服装も乱れていた。
 不満そうに唇を尖らせている麦わら屋の頭を片手で抱え込むようにして引き寄せる。
 「トラ男?」
 「この島の近くに海軍支部はねェが、念の為だ。今夜は」
 「船に戻るならトラ男のところがいい!」
 別れよう、と言う前に先手を打たれた。この状態で無防備にも泊まりに来ると言うのだから、麦わら屋は侮れない。
 「……意味を分かってて言ってんだろうな、お前」
 「おう、勿論だ!」
 その為の荷物だぞ!と背に膨らんだリュックを片手で示す麦わら屋に、おれは浅く息を吐き出した。このまま一緒にいると戦闘後の昂りをぶつけかねないから一旦落ち着きたかったのだが、妙に鋭い麦わら屋の事だ。理解した上で言っているんだろう。
 「朝まで帰してやれねェぞ」
 「元々今日はそのつもりだったじゃねェか」
 「導入が最悪だろ」
 「トラ男と一緒に戦ったんだ、最悪じゃねェよ」
 ししし、と歯を見せて笑う麦わら屋の返しにおれは小さく唸った。このまま話を続けていくと、おれの中の昂りはさらに増すだろうと。