美結
2026-01-04 11:46:52
33619文字
Public ロール
 

🐯👒原作軸SSまとめ

2023年から2025年までのロール原作軸SSをまとめました!



『こういうのも悪くない』

 「濡れた濡れた、びしょ濡れだな!」
 「ナミ屋も言っていただろうが。今日は確実に降られるって」
 出掛ける直前、降るから早めに戻るようにと背中に声をかけてくれたナミ屋の予報はやはり的中した。二人揃って雨に濡れてサニー号に戻ってくれば、見越したように用意されていたタオルが頭の上から投げかけられる。
 「お帰りなさい、二人とも」
 「ロビン!ただいま、タオルありがとう!」
 「今温かいもん淹れてやるから、ちょっと待ってろ」
 「悪いな、黒足屋」
 受け取ったタオルで湿った髪を拭き取る為に帽子を脱ぐ。麦わら屋も同じように髪を拭き始めたのを見て、おれは手早く自分の身体を拭いていった。
 「麦わら屋、こっちに来い」
 「おう!」
 呼ばれて此方にやってきた麦わら屋のタオルを掴むと、おれは優しく手早く零れ落ちる水滴を拭き取ってやった。
 「トラ男、擽ってェ」
 「もう少しだから辛抱しろ」
 目で見て水滴が残っていないことを確認したおれが被せていたタオルを外すと、閉じられていた麦わら屋の瞼がパチっと開いた。
 「拭いてくれてありがとうな!」
 ししし、と笑って感謝する顔に見上げられておれは一瞬言葉に詰まる。その間におれの元を離れた麦わら屋へ、黒足屋からマグカップが二つ手渡された。
 「ふふ、随分と手慣れたものね」
 その様子を近くで見ていたニコ屋の声におれは緩く口角を持ち上げてみせる。
 「雨の日だって、もう一度や二度の経験じゃねェからな」
 一人で濡れるのは御免だが、アイツと一緒なら悪くない。そう思ってしまったことに、おれは小さく笑った。