由崎
2025-05-12 00:38:56
21437文字
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永遠よりも長く、君を待つ

英ベスツリーを大幅に加筆・改稿しています
仏ジャン匂わせ有

※5/19完成しました
誤字脱字あるかも



後日、父親が改めて礼に訪れた。

その姿、その声、すべてがあの時代の王たちと同じだった。
イングランドは確信した。

彼らはもう“王”ではない。
記憶を失い、ただの一つの家族として生きている。
エリザベスも、エドワードも、その父ヘンリーも。

かつての栄光を知らぬままに。

イングランドはそう簡単に切り替えられるものではなかった。

イングランドは次第にシェアハウスへ帰らなくなった。
それを見かねたのは、兄たちだった。

……お前が何を思ってるのか知らないが、あの一家はもうお前の王たちじゃない。ただの別人だ」

静かにそう言ったスコットランドにイングランドは声を荒げた。

「分かってるんだ!!そんなの、分かってる……!」

震える声で言葉を吐き出す。

「でも……顔も、声も、仕草も……全部、同じなんだ。四百年前のヘンリーも、エドワードも、エリザベスも……!」

兄たちは息を呑んで見つめる。

……エリザベスは、ベスは、俺が……唯一、愛した女だった。俺の妻で、この世で一番、愛していた人だったんだ……!」

「それが……同じ姿で、目の前にいたんだ……

その場に崩れ落ちるとイングランドは肩を震わせ、嗚咽をこらえきれなかった。
長い沈黙のあと、ようやく彼はぽつりとこぼす。

……会うのが、辛いんだよ」

誰も何も言わなかった。
ただ静かに彼の悲しみに寄り添っていた。

「彼女は俺のことを何も覚えていない。名前も、声も、過ごした日々も……全部」

かすかに震える声。

……辛いんだよ兄上……あんなに近くにいるのに……もう一度、あの声で名前を呼ばれることはないんだ……