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さもゆ
2024-11-16 22:21:28
45032文字
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BF
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【BF腐】ツイログ
ツイッターまとめ!女体化とか学パロとか暗かったりとかもあるから地雷原です!
最初の1ページだけ月英。あとはA英、CPなし。
2020.4.4 たまごのお粥pixiv投稿作品
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(付き合っていないギリギリの大人A英)
魅惑のルージュ
手の甲の浮き出た骨の筋までくっきり赤くなっているのを見て、自分は相当酒に弱いなと思った。きっと布に隠れた日に焼けていない太ももまで真っ赤になっていることだろう。度数の高い酒を飲むといつもそうだった。
熱くて、目に涙が滲んできて、首が重くて、心臓がどくどくし始めて、その辺をうろつきたくなるけど腰が上がらない。
「お前はすぐ顔に出るからまだいい」
一緒に酒を飲む者はよくこう言ってくれる。同居人とて例外でなかった。顔に出るから、これ以上飲ませてはいけないと察してくれる。おかげで、未だ周りからもっと飲めと強要されたことがない。
いつも通りこちらの真っ赤な顔を見て水を用意してくれる同居人との会話ににこにこ笑い、僕は冷たい水をちびちび飲んでいく。グラスを頬にくっつけ、ソファに真っ直ぐ座っているのもなんだか大変で隣に体を預ける。危ないぞ、透明な液体の揺れるグラスを取られた。
「大丈夫か」
「だいじょうぶ。ごめん、飲みすぎた」
「気持ち悪くは」
「立ち上がったら、ぶっ倒れるかも。まだ楽しいよ」
「そのままいろ。水もっと持ってくるから」
真綿のようにソファに寝転がされる。キッチンへ向かって行った同居人兼友人に妙に嬉しくなって、座面に頬を擦りつけ、もぞもぞ体を丸めた。行儀悪く上着のポケットに手を突っ込むと、指先が何かに触れて、ああそういえばとにっこりする。そういえば、職場の同僚が落とした口紅を、拾ったんだった。帰りがけだったから、デスクに置いておく配慮ができなくて。
それを引っ張り出し、紺色の四角く細長い物体を見つめる。なんとはなしにキャップを外してみた。角の丸い、赤い色が覗く。この色は、誰だろう。同僚の女性たちの唇の濃さを思い描こうとして、キャシーだったかパティだったかステイシーだったか、数人候補が浮かんだがちっとも分からなかった。そりゃそうだ。僕は彼女たちの唇の色を注意深く見ていない。
「あっかいなあ
……
」
僕の腕より赤い。
またまた、なんとはなしに、口紅を繰り出してみる。幼い頃嗅いだ、母親の化粧のにおいがして、ふっと笑いが零れた。そしてそのまま意気揚々と自分の唇に押しつける。端から端まで滑らし、塗ったくった。
これ以上ないほど唇が濡れた感触がする。上下を擦り合わせて、ぱっと音を鳴らしてみた。けらけらっと笑う。
「どうした?」
ソファの背もたれ越しに顔を突き出してきた友人は、新しいグラスを差し出した格好で、不自然に動きを止めた。
僕は上半身だけを起こして、グラスを受け取る。にやっと笑った。
「へへ、似合う? 頬も口も赤いだろ」
彼は眉根を寄せた。僕はグラスに口をつけて、赤色を滲ませた。
「キスしちゃ駄目だよ」
この上なく気分が良かった。
「間接キスになっちまうから」
誰とも分からぬ職場の女性と、間接キスになってしまう。
彼も僕同様、女性の唇になど興味がないだろうが、この不慣れな赤い唇に目が釘付けになっているのが面白くて、つい、ギリギリのジョークをかましてしまった。頬がじわじわ熱い。濡れた眼差しを向けてしまう。
僕たちは、友人だった。口紅くらいじゃ、情熱的な赤い色には、ならないかなあ。僕はへらりと笑ってやった。
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