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さもゆ
2024-11-16 22:21:28
45032文字
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BF
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【BF腐】ツイログ
ツイッターまとめ!女体化とか学パロとか暗かったりとかもあるから地雷原です!
最初の1ページだけ月英。あとはA英、CPなし。
2020.4.4 たまごのお粥pixiv投稿作品
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(月英、ユー英)
I'm sorry.
「こういうことをされるかもしれないとは、思わないわけ?」
「こういうこと、って」
ぱちり。ひとつ瞬いて、顔の横につかれた手と、覆い被さる彼の顔とを交互に見やる。するとさらさら長い黒髪が肩を滑ってこちらの顔にまでかかってくるものだから、英二はちょっと躊躇ったのち、彼の黒髪を耳にかけて背中に流してやった。ぎこちないのは仕方がなかった。何せ生まれてこの方、ここまで長い髪を扱ったことがなかったので。
彼はぴくりと眉をひそめる。英二が下手くそにかけてやり、または、かけそびれた後れ毛を、丁寧に耳の後ろへとやってから、まるでゴミ虫でも見るように見下ろしてくる。なんだかなあ、英二は思った。なんだか、僕が何を言っても、そういう顔するんだろうなあ。
月龍という少年はいつもそうだった。彼のいつもを語れるほど仲良くはないし、一緒にもいないけれど、顔を合わせる時は必ずこういう態度なのだから、それはきっといつもと同等だった。理由もなしに嫌われている。いや、理由はあるのだろうが、詳しくは知らない。知ろうとも、思えない。(知ったところで理解できるかどうか、改善できるかどうか、そういうことの前に、そこまでの興味がなかった。ただ嫌われていても構わない間柄なのだ、冷たいことに。でも妥当だろ?)英二は自分より三つも年下の少年に、そうしたら更に蔑まれるだろうと分かった上で、自分の頭の下にある枕を叩いた。
「プロレスごっこでもする?」
ベッドのスプリングが軋んだ。
かろうじて体重の乗っていなかった足の付け根に、馬乗りにされる。軽いもんだった。そりゃ、そうだ。十六歳の重みだ。彼が言った。
「僕には、イチモツがついてないとでも、思ってる?」
こちらにも、彼自身と同じ顔をしてほしいような、雰囲気だった。たぶん。変わっている。
月龍は、僕のことを、世間知らずの馬鹿なイノセントだと思っている。アッシュと同じだ。けれど、彼の場合、アッシュと違って、どうやら僕に汚れてほしいようだった。悲しみとか、嫌悪とか、絶望とか、怒りとか、そういうの。二人とも、僕の何を神聖視しているのだろう。ちっとも、分からない。分からないから、僕は僕でいるしかない。
英二は困って眉尻を下げた。
「イチモツって、そんな丁寧な言い方、初めて聞いた」
「
…………
きみはなんて言うの」
「チンポコ」
月龍は目を真ん丸くした。あ、その顔は、わりと面白いかも。気を良くして続けてみる。
「ユーシス。きみは、僕のこと、純粋な馬鹿のように思っているかもしれない。実際、そうだとして、なぜそんな僕にアッシュが拘るのか、不思議で仕方ないんだろう」
そんなの、簡単なのにな。
みんながおかしな見方をしているだけだ。
「アッシュもね、純粋で、馬鹿なんだよ。僕たちって、きっと、どこかが一緒なんだ。だから友だちなんだよ。類は友を呼ぶんだ」
「何を言って
……
」
「でも、月龍。きみはどこか、複雑だ。うまくは言えないけど、複雑に、こんがらがってる。僕じゃ駄目だ」
自分とは似ても似つかない黒目が、水面の影のように歪んだ。
「僕じゃ
……
駄目だよ。きみも、分かっていると思うけど」
友だちにも、心の拠り所にも、理解者にもなれない。
相容れない。
ぐっと歯を食いしばったかと思えば、首に手をかけられる。衝動は、しかし、完遂されることはなかった。喉仏を押さえた親指が、力なく離れてゆく。彼の手は針、言葉は毒、感情は宵闇。そこまで想像しながら、英二は針山にはならないし、解毒剤にはなり得ないし、まだ出ぬ月を導く一等星にはなれなかった。
不意に泣きそうになる。同情のようなものだ。あまりに薄情すぎて、やっぱり、周りの自分に対する見方がおかしいと笑いたくもなる。
願ってしまった。
どうか、この悲しい男の子を、守ってくれるような存在が、現れますように。
縋られたのは自分なのに。
はらり、また黒髪が落ちてきた。今度は耳にかけてやらなかった。代わりに、瞼を閉じて、じっとしていた。
涙を拭うことも、ハグも、頭を抱き込んでやることも。
それは僕の役目じゃない。
けれど、長い髪を一度耳にかけてやった感覚が、いつまでも残っていた。それはあんまりひどすぎる気分だった。
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