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botanin5
2024-11-14 03:17:26
18728文字
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薬さに♀(小説)
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わたしの赤
ハッピーエンド
薬研から審神者への恋愛感情ゼロの状態で、お付き合いがはじまりますのでご注意ください
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「どこに行くんですか」
人に会わないように気を配っていたつもりだったのに、やはり刀剣男士には敵わない。あっさりと宗三に見つかってしまって、見つかっちゃったかーと苦笑いを返す。
「これ、燃やそうと思って」
「なんですか?それ」
「
…
持ってたら、ダメなもの」
空き箱の中身はたった三冊の日記帳なのに、ひどく重く感じる。
雑誌に混ぜて捨てようかと思ったけれど、誰かに見つかってしまっては目も当てられない。破いて池にでも捨てようかとも思ったけれど、自分の手で書き連ねてきたものを裂く勇気が出なかった。一瞬で消してしまう方法を考えて、燃やすのが一番だと思ったのだ。
「燃えても、無かったことにはなりませんよ」
「
…
はは、宗三に言われると重みが違うな」
「簡単に消すことなんてできないくせに」
「じゃあどうすればよかったの!?」
段ボールを地面に打ちつければ、ぼんっとずいぶん間抜けな音がする。日記帳がバサバサと落ちた。満たされたフリをした、ひしゃげた空っぽな段ボールは、私の心と同じだ。
「好きだった!ずっと!
……
間違えたのは、私なの!!やっぱりこんなのおかしい、やめようって言えばよかった!!っ
…
あの夜、無かったことにすればよかった!!告白なんて、しなきゃよかった
……
好きなんて
………
言わなきゃよかったんだよ
…
っ
…
ぅ~~~~」
付き合うことを許されたのに、伝えることはできなかった恋心をずぶずぶと溜めこんで傷つけていたこの体に、あの優しいキスは過ぎた薬だった。ずっと、ずっと我慢していたのに簡単に理性が崩されてしまった。一度知ってしまえばもっと欲しくなる。だから望まないようにしていたのに。私の事を好きにはならないと分かったあの日から、割り切って過ごそうと決めていたのに。
恋人のように振る舞ってくれる優しさを受け取っていくことで、心が満たされていくと思っていた。日記に書いて言葉にして残すことで、これがいつか本当の幸せになると信じ込もうとしていた。でも、書いても書いても、埋まっていくのは日記だけで、私の心は満たされていかない。
「
…
薬研の優しさに付け込んだ罰なのかな」
崩れ落ちて、地面に座り込んで子どもみたいに泣く私を、ふわりと花の香りが包んだ。あやすように背中をとんとん、とゆるく叩かれる。
「ほんと、どうしようもない“空け者”ですね。
―――
貴女も薬研も」
こんなに空っぽになるまで、心を削ってなんになる。
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